活動報告5月11日

生命論3回目の授業では森中先生から遺伝子疾患や遺伝子操作についての講義を受けました。

今回、大きくわけて2つのテーマについて話をしました。1つ目は遺伝子診断についてです。遺伝子診断によって分かった知能や運動神経などの能力でランク付けを行い、それぞれ教育を変えるべきではないかという話題で、大多数が賛成ではない様子でした。私もこの考えには反対です。そもそもこれを実行したとしても上手くいかないと思います。まだ確実では無い遺伝子の情報で他人の人生の選択肢を奪うのは将来の技術の進展や発見の機会を失っていることになり、国の立場から見てもデメリットが大きいように感じます。

知能や能力に関してはこのように否定的な意見が多かった遺伝子診断ですが、出生前診断着床前診断はどうでしょうか。出生前診断とは染色体の異常や微小な欠失について調べることが出来る診断です。最初は陰性でも陽性でも産まれてくる赤ちゃんをどのように迎えるかを考えることが出来るため良いものだと思っていましたが、話が進むと、それは生命に優劣をつけて選択をしているのではないかという意見が出て少し納得してしまい、私の中では結論をつけることが出来ませんでした。

2つ目のテーマは遺伝子操作による遺伝子治療についてです。このテーマについての話題として鎌状赤血球貧血症の話を聞きました。貧血の症状が出る鎌状赤血球貧血症の遺伝子は致死率の高い病気であるマラリアに対する耐性を持っています。鎌状赤血球貧血症やマラリアはアフリカで特に多い病気のため、アフリカでは正常な人の遺伝子も鎌状赤血球貧血症の遺伝子に書き換えるべきでは無いのかという問題でした。私はこの場合、致死率の高いマラリアの耐性を持つことを優先するべきだと思い、遺伝子治療に賛成でした。ですが遺伝子治療が許されるとどの程度のものまで治療するのかといった問題が出てきました。確かに希望制にしてしまえば、外見や内面、能力などの操作も可能となり、デザイナーベイビーだらけになってしまいます。このような遺伝子操作は産まれてくる人間の人生を自然のものから大きく変えているにも関わらずその変化に責任を持たない、尊厳を奪う行為だと思うので私は実現して欲しく無いため、最終的に意見は反対に傾きました。

では、障がいや遺伝子疾患についてはどうでしょうか。一見良いことのように思えますが、同じように考えると障がいを悪いこと、病気だと考えていることが前提になり、考えを産まれてくる子供に押し付けることになります。

私はこの授業を受けた段階では、遺伝子の操作は病気の治療だとしても行わない方が良い、自然の原理に無理に介入しない方が良いという考えになりました。もちろん、遺伝子診断や遺伝子治療は今まで治らなかった病気を治すという面で言うととても素晴らしい技術だと思います。ですが実行にはたくさんの倫理的問題があり、その多くが答えを出すことが難しい問題です。今後も生命論の授業を通して、正しい知識を得てたくさんの意見を咀嚼して自分なりの考えをまとめていきたいです。

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