班活動報告①--霜田求先生-- モリさん

 僕達の班(モリさん,holy,GO,mow,みねすとろーね)では、『再生医療における中絶胎児の利用についての是非』をテーマに活動しています。活動の具体的内容としては、まず中絶胎児由来細胞を医療に用いることに対して“肯定派”と“否定派”の二つのグループに分かれ、それぞれのグループで、「なぜ中絶胎児が必要なのか、又はなぜ中絶胎児を用いてはならないのか」,「中絶胎児を用いることでどのような問題が生じるのか、そしてその問題を解決するためにはどうすればよいのか」,「科学的根拠を含めた、中絶胎児利用を巡る現状」等の点についてインターネット等を利用して調べた後、全員で集まって議論を重ね、互いの意見を整理しています。
 現在は議論の段階で、何度か話し合いの場を持っているのですが、肯定派が想定される問題も考慮に入れた上で中絶胎児利用の有益性を主張しているのに対して、否定派は中絶胎児を医療資源として用いることそれ自体を否定している為、議論は平行線をたどっています。
 僕たちは“肯定”“否定”のどちらかの意見に全員がまとまる必要はないと考えているのですが、これまでの活動は、単に文献による情報収集と生徒同士での議論のみの為、「きちんと現状を把握することは出来ているのだろうか」,「僕たちが考えている問題点の他により重要で考えなければならない問題点があるのではないか」と疑問を感じ、同時に専門家の方々からのアドバイス等をいただきたいと思いました。

 そこで、大阪大学の霜田求先生に、僕達の進めている活動について何かアドバイスをしていただけないかとお願いしたところ、快く応じて下さいました。その内容を一部この場で報告します。

 霜田先生は、こちらが送付した、それぞれのグループで調べた事柄をまとめた資料について、僕達が挙げていた「中絶胎児に生命倫理は適用されるのか」,「医師と人工妊娠中絶を希望する患者との間に生じる治療のとらえ方に対する差違」といった問題設定そのものが適切でないということ、それなりの言葉遣いを用いて曖昧に問題を片付けてしまっていることを指摘して下さると同時に、「無理に共通の問題を設定する必要はないので、肯定派・否定派がそれぞれの論拠を列挙した上で、共通する論点を決めればよい」,「互いに言いっぱなしにならないように、双方が相手側の論拠に反論する主張を追加するとよい」といった今後の方針例も示して下さいました。
 コメントして頂いた点を班員で再度整理し、今後の活動に役立てていこうと思います。

 最後になりましたが、霜田先生、お忙しい中僕達の唐突な依頼に対応して下さり、どうもありがとうございました。


 ※11月24日(金)には、大阪市立大学の土屋貴志先生に直接お会いして御指導をいただきます。そちらの  内容もこの場で報告します。(予定)