命の限りと向き合う~ホスピスでの実践より~ (3C29)

2009年10月29日、淀川キリスト教病院の田村恵子先生にホスピスについての講義をしていただきました。

機講義内容
(1)がん対策基本法
現在、日本人の死亡原因の第一位は“がん”である。がん死亡者数は33万6468件(2007年)で、日本人の3人に1人が、がんで死亡している。また、がんの生涯リスクは男性が54%、女性が41%にものぼる。
そこでがん対策基本法が2007年4月に施行された。
がん対策基本法:がん対策を総合的かつ計画的に推進
 がん対策推進協議会
        ↓
 厚生労働省(がん対策推進基本計画案の作成) ⇔ 地方公共団体(都道府県がん対策推進計画)
                ┏━━━━━━━━━↓━━━━━━━━━┓
                ┃・がん予防及び早期発見の推進         ┃
                ┃・がん医療の均てん化の促進等         ┃
                ┃・研究の推進等                   ┃
                ┗━━━━━━━━━↓━━━━━━━━━┛
                              国民            

 がん対策推進基本法とは…全ての患者・家族の安心のために、がんによる死亡者の減少や全てのがん患
                  者・家族の苦痛の軽減・療養の質の向上を目指したもの。


(2)ホスピス・緩和ケアについて
●緩和ケアの定義(WHO 2002年)
 緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より
 痛み、身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題に関して的確な評価を行い、それが障害と
 ならないように予防したり、対処することで、QOLを改善するアプローチである。
 (病気が治る状態か、治らない状態かは区別していない)

ホスピスの理念
 ・ホスピスとは「親切であたたかくもてなすこと」を意味する。
 ・中世において、ホスピスは巡礼者の休憩の場であった。そこで、巡礼者たちは病気や飢え、旅の疲れ
  が癒されるようにケアを受けた。
 ・近代社会において、ホスピスは、自分の死に直面するという最も難しい旅において保護と安楽を提供
  する特別なケアの理念を意味する。


(3)淀川キリスト教病院ホスピスにおけるケアの考え方
淀川キリスト教病院は全人医療を理念とし、患者と家族にとって最良のQOLの実現を目指している。
淀川キリスト教病院ホスピスのシステム
 がん専門病院、大学病院など ⇒ 淀川キリスト教病院ホスピス
                            ↓
                       ホスピスケア提供システム
                       (・電話相談 ・在宅診療所との連携)


供■裡硲冒躪隋.廛蹈侫Д奪轡腑淵-仕事の流儀-
講義の後、NHKで2008年6月24日に放送されたビデオを見ました。


掘感想
時間が空いてしまったので、内容が薄くてすみません…
ビデオの内容も書きたかったのに詳しく思い出せませんでした。でもはっきりと覚えているのが、娘の結婚式に出れなかった父親の話です。結婚式まで命がもたないかもしれないので、結婚式前に病院のチャペルで写真撮影を行う、という内容でした。幸せって難しい、私達が思う“普通”は簡単に崩れてしまう危ういものなんでしょうね。この瞬間を生きているっていうことは当たり前でもなんでもなくて、一瞬一瞬を大切にしたいと思えました。