8月28日 生命論シンポジュウム くぼ

4.人が死と向き合うとき ~ホスピスでの実践から~
       淀川キリスト病院ホスピス 田村恵子さん

(1)ホスピスの概要
  ・緩和ケアの定義(WHO 1989)
   治癒を目的とした治療が有効でなくなった患者に対する積極的な全人的ケア、のことを緩和ケアとする。もっと早い時期の患者に対しても治療と同時に適応すべき多くの利点を持っている。
  ・トータルペイン(全人的苦痛)
   患者が体験している、精神的、社会的、スピリチュアルな側面から構成されている複雑な苦痛のこと。
  ・同時進行するがん治療のモデル
  ・淀川キリスト教病院ホスピス
   平均在院日数の平均は15,8日で、アメリカでは1週間。
  ・ホスピスケアの基礎となる考え方 ☆医療チームが一丸となったケアの実践
    基本的ケアの徹底
    「その人らしい」最期を
    死の現実から目をそらさない
    真実への権利←患者さんに聞かれるとありのままを話す
    細やかな患者の理解

(2)死を前にした人の語り 

  ◎ケース1(♀ 69歳 すい臓がん)
  ◎ケース2(♂ 67歳 直腸がん) 
  ◎ケース3(♂ 33歳 食道がん
  ◎ケース4(♀ 50歳代 肝臓がん)

(3)ケアに関して心がけていること 
  ・関係の死  
   一人称の「私」の死…経験したり体験することも出来ない
   二人称の「あなた」の死…「私」に直接的な影響を与える
   三人称の「人」の死…対象的になった死。日常的に触れることが多い
   ☆2,5人称の死(柳田国男)…つかずはなれず
  ・相手に関心を寄せることがら
   看護師として体験できるのは、三人称の死であることが多いが、ケアのプロセスを通じて、
   二人称の死を看取っていきたい。
  ・自分の死を考える 
    まず自分の死を考える
      自分ならどう死にたいか、
        そこから出発するのです
              シスター・寺本松野

<感想>
私は、入院してくると平均2週間で患者さんがなくなっていく、という状況は信じられないと思ったけど
、田村さんが「急変して亡くなってしまったら後悔はするけれど、自分がやるだけのことをやったら、そんなに悲しいことではない。」とおっしゃるのを聞いて、すごい経験を積んできたんだなぁ、と思いました。私は今まで、やるだけのことをやったから後悔はない、というのは思ったことはないです。1週間に何人も死んでいくのを目の当たりにするっていうのは私にとっては非日常だけど、このような医療もどんどん必要だと思いました。