9/7 土屋先生のお話 ~中絶胎児の利用について~

今回の授業は、大阪市立大学の土屋先生の講義と討論でした。
*まとめ*
1、中絶胎児の扱いについての土屋先生のお話
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      妊娠12週以上・・・成人遺体と同様の扱い
      妊娠12週未満・・・感染性廃棄物として処理
中絶胎児の利用
胎児細胞には様々な可能性があり、再生医療などで効果が期待されている。そのため、廃棄物である中絶胎児を研究や治療に用いることで、有効利用しようという動きが高まっている。しかし、倫理面や安全面の問題があり、議論が続いている。
・ 脊髄損傷患者の治療(中国):患者の損傷部位に胎児細胞を移植
パーキンソン病患者に対する人体実験
患者を次の2郡に分け、統計学的に効果があるかを調査。
郡:中絶胎児細胞を患者の脳に移植・・実際の効果を調査
郡:中絶胎児細胞に似た細胞を患者の脳に移植・・,梁仂伴存海如▲廛薀札楔擎未陵無を判断
2、ビデオ「わたしは誰の子」NHK総合1994年7月1日(抜粋)
・ イギリスでは研究目的での中絶胎児の利用を法律で認めている。ただし、その中絶胎児は無償で提供されたものに限られている。
・ イギリスのある病院が中絶胎児の卵原細胞を用いた不妊治療を実施し、これに対し民間団体が反発、議会でも不妊治療への胎児細胞の利用を禁止する法案が提出された。
・ 反対意見の中には、「イギリスには自分の両親が誰なのかを子供に知らせる義務があり、事実を知った子供がショックを受ける」という意見もある。
・ 中絶胎児の代わりに死亡した女性の卵細胞を用いる案があるが、こちらはあまり抵抗なく受け入れられている。
3、討論・・中絶胎児の医学的利用
賛成派
死んでいるので物として扱ってよい ←→ 反対意見D
脳死患者からの移植は認められている ← 反対意見C
倫理的なデメリットよりも、多くの人を救えるというメリットのほうが大きい
中絶と利用は別々の問題 ←→反対意見A,E
中絶自体について考えるきっかけとなる
反対派
A,中絶に対する抵抗が少なくなる
 B(不妊治療に対して)生まれた子が精神的ショックを受ける
不妊治療で人為的につくられた命は価値が下がる
 C胎児の意思が反映されない
 Dヒトをモノ視する考え
Eお金が絡むことで中絶が増加
 主な争点
脳死者と中絶胎児の自己決定権の有無
不妊治療によって生まれた子の立場  など
4、考えるに当たって大切なこと
脳死者と中絶胎児の対比がどの程度まで可能か、という視点をもつこと
医学の進歩と倫理の釣り合いを保とうとすると常にぎりぎりになり、しかも、医学は常に行き過ぎになる可能性を持つことを考慮に入れる
*感想*
中絶胎児と脳死者の違いは、実際に「生きる」という経験をしたか否か、ではないかと私は思います。私は中絶胎児の利用には反対、脳死者からの移植などは賛成なのですが、これは、脳死者は自分の人生を経験し、生きようとする欲求がある程度満たされ、自分で納得した上でドナーとなるのに対し、中絶胎児は生きようとする意思つまり欲求が満たされないまま、勝手に実験材料とされてしまっているからです。うまく説明できませんが、命は生きるために生まれてくるのであり、やむを得ず中絶されてしまったとしても、実験材料になるために生まれてくるわけではないと思います。