7月12日の授業報告(ⅢA34)

今回は、獣医師・医学博士で様々な活動をしておられる川合先生の指導のもと、ラットの解剖実習をしました。

○解剖について
からだの構造を知り、からだの機能を知るため。
実験動物からヒトへの予測を行うため。豚が比較的ヒトと似ている部分が多い。

○ラットについて
正式名称はげっ歯目ネズミ科クマネズミ属。中央アジアを起源としており、今日研究に使用されている大部分のラットがアルビノラットを起源としている。様々な系統があり、これを利用して研究が行われる。
・体重:雄→350g~500g、雌→250g~420g
・寿命:2~3年
・心拍数:320~480回/分(体が大きい動物ほど心拍数は低い傾向にある。総数は20億~30億でどの生物もほぼ一致する)

*今回使用したラットについて
・5月28日入荷
・6月29日交配(それぞれの班で雄と雌を交換した)
交配まで約一ヶ月飼ったのは、ラットを環境に慣れさせるため。
また、交配~解剖の期間はもう少し長いほうがよかった(らしい)。

○解剖の手順
0.準備
白衣を着て手袋、マスクをする。器具をそれぞれ準備する。
1.エーテルをしみこませたペーパータオルを瓶の中に入れ、そこにラットをいれて蓋を密閉する。
しばらくして動かなくなったら、取り出して解剖板のうえに仰向けにしてのせる。
2.ピンセットで皮膚をつまみながらハサミで皮膚を縦に切り開く。上側・下側でハの字型に切り開く。
3.大体下から上にむかって臓器を取り出していく。血液で見にくい場合はペーパータオルなどで吸収 させる。
4.仰向けにして後頭部を切り開き、脊髄・頭蓋骨を除去する。このとき周りにある筋肉は切った方がやりやすい。
中から脳を取り出す。
5.雌から摘出した子宮を水を入れたシャーレに乗せて1つずつ切り、子宮膜などを慎重にピンセットではがしていく。顕微鏡で胎児を観察する。
6.摘出した臓器をすべてラットの体の中に戻す。
今回はペーパータオルでくるんで、合掌した後、埋めた。

間違えがあったら申し訳ありませんが指摘お願いします。

○個人の感想
まず私が驚いたのは、解剖がこんなに簡単にできるんだということでした。
はさみは多くて3つ、ピンセット2つ、そこらへんにありそうなトレイを使って
普通の部屋でできるということで、私の持っていた解剖のイメージと大分違いました。
解剖するにあたって一番恐かったのは、ラットによって麻酔の効きが悪かったことです。
切開しようとするときに暴れ出したらどうしよう・・・とやたらと心配していました。
私は「最初ラットを恐く感じるけどだんだん愛着がわいてきて、解剖の最初は
ためらいがあるんだろうな」と思っていました。
実際、最初はラットの世話が恐かったのですが、だんだん慣れてきました。
でも、正直やろうとおもっても愛着は全然わきませんでした。
いざ解剖のときでも、麻酔さえきっちり効いたらあとは恐くなく、最初からまったく罪悪感とか
可哀想といった感情もなく、感じの悪い言い方になっちゃうけれども楽しかったです。
この臓器は何なのか、これはなになのかといった生物的興味もさほどなく、
切開して臓器らしいものを取り出すことに夢中になっていました。
もうちょっと心構えをきっちりしといた方がよかったんじゃないかと今さらながら後悔です。
というか他の人はラットに対して何らかの感情を抱いている(ように見えた)のに、
自分は解剖中も解剖後もごく普通のこととして、あっさりと終わってしまった気がします。
もうちょっと人間らしい感情持ってみたかったし、持つ努力をすべきだったと思いました。
ラットについては、個人的にはこれでよかったんじゃないかなー・・・と。
最初の頃ならともかく、最近は大きくなってあの入れ物の中じゃ狭すぎて
走り回ることすらできなくなってました。少なくとも自分のところは。
積極的に解剖するべきというわけではないんですが、あのまま生かしておいても不幸せな環境だったように思います。

※追記(7月16日)
みんなのコメントを見てて、そういえば自分の感想にも解剖そのものの感想がないな、と思って、
私は上記の通りラットにあまり感情移入することもなかったからか、解剖したときのことも結構覚えてたりするので感想追加することにしました。
解剖しているうえで一番予想外だったことは、匂いです。解剖するにあたってマスクをしていたはずなのに結構匂ったのでびっくりしました。自分は食用の生肉の匂いがきつくなったようなものだな、と思ったのでそこからはあまり気になりませんでした。
私は結局雄雌両方の解剖をしたのですが、最初に雌の解剖をしました。そのときに、子宮がものすごく分かりやすくてびっくりしたのを覚えています。妊娠というとどうも人間のイメージしか無く、とてもお腹が大きくなるイメージしかありませんでした。けれども雌のラットはお腹の大きさとか分かるほどふくらんでなかったし、自分はむしろラットが本当に妊娠しているのか疑っていたほどでした。でもじっさい切開してみるとすぐに見つかりました。体の大きさからしたらものすごく大きくて、胎児の数も多くて(私が解剖したラットは12匹でした)びっくりしました。
それと、脳と頭蓋骨にも驚かされました。胴の部分はやわらかくて解剖しやすかったのですが、脳を取り出すのはものすごく大変でした。頭蓋骨が脳の周りをびっちりとおおっていて胴とは硬さが全く違ったので、やはり脳を守るということは重要なことなのかな、と思いました。

川合先生、ありがとうございました。