ホスピス見学

 
11月18日、ホスピス班(A4,A27、A41、D29)は高槻赤十字病院の緩和ケア病棟を見学させてもらいました。
高槻赤十字病院の緩和ケア病棟は、院内独立型といって、一般病棟の隣に併設されています。
この病棟は、‘Lake House’と名付けられ、その名の通り全室湖に面し建てられていました。
外装は、赤い屋根のヨーロッパ調で、緑が生い茂り、中も暖かい照明に多くの寄贈された絵や写真が飾られ、とても気持ちの良い空間でした。
 
 
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 今回、看護師長の岸さんにお話を聞かせて頂きました。
緩和ケアの目的や役割、QOL向上にとって大切なものについてでした。
以下、概要です。
 
・緩和ケアの目的     一般病棟は治療と社会復帰を目的とする一時的な場所であるのに対し、
                緩和ケア病棟は、潤いのある穏やかな生活を送るための場であり、
                医療はそのための手段である。
 
・緩和ケア病棟の役割  ①症状のマネジメント
                ②家族のケア
                ③在宅の支援
                ④最後の療養の場
                ⑤遺族のケア
                
                このために、緩和ケア病棟では、時間が医療者のペースではなく 
               患者、家族のペースで流れる。消灯時間や面会時間はない。
                ここでは遺族に集まってもらい、故人を偲ぶ会等も行っている。
           
QOLのために重要なもの   ①場所
                    ②苦痛がないこと
                    ③希望があること
                    ④自分が誰かの負担にならないこと    等
                
                 ③の‘希望がある’では、一般病棟では患者さんが、死について話そうと思っても
                家族は‘弱気になるな、頑張れ’と励まし、中々出来ないけれど、ホスピスでは
                死後のことまで話すことができ、<先に往って待ってるね>等が患者さんの希望
                になる。  
                                    
 
 
お話を聞いた後、病棟の見学もさせて頂きました。
 
・浴室: 車椅子でも入れるものと、寝たきりの人用がある。どちらもかなり広い。
     かなり危険な状態でも本人・家族の希望で、家族付き添いの元、入浴することがある。
     お風呂が好きな人にとって、最後まで好きなことをやりとおすことはQOLを向上させるし、
     家族にとっても、出来る限りのことをしたという、一種の満足感は良い別れに繋がるという。
 
・個室: ベッドとソファベッド、トイレが付いている。
     医療器具が隠れていたり、鏡を見ないように出来る等の工夫がされている。
     
・バルコニー: 池の周りに散策路が作られてとても綺麗。
         広いので、寝たきりでも出られる。
     
・廊下: 寄贈された絵や写真、ボランティアの方、患者さんの作品が飾られる。
     壁にはライン模様がひかれており、それは通常より少し上の位置にある。これには
     目線を上げ、人を前向きにさせる狙いがある。
      
       一枚のジグソーパズルがあり、元患者さんのものだそうだ。
     途中でもう作れなくなり、職員のかたと家族が手伝い、最後の1ピースを患者さんが
     はめこみ、しばらくして亡くなられたそうだ。一年たった今でも飾られており、
     看護師さんの話し方を通して、ホスピスと患者さんの関係の深さを感じた。
 
 
感想  ホスピスは思っていた以上に、明るい場所でした。
     しかし、患者さんと家族の姿もあり、死が迫っているのだと考えると悲しさもより一層でした。
     ここで毎日、患者さんと向き合う職員のかたは、本当に強いと思います。
     この経験を発表に生かしたいと思います。
 
    貴重なお話を聞かせていただいた岸さん、応対していただいた篠田さん、高槻赤十字病院の皆様
   本当にありがとうございました。