生命論 第5回目 3C36
講義 『「生命」について考える』 大阪教育大学附属高等学校池田校舎 公民科 堀先生
今回は今年度初めて外部講師をお招きし、講義をしていただきました。
堀先生は、以前は天王寺校舎で倫理を教えておられ、また森中先生と共に生命論の授業を立ち上げてくださりました。さらに、次回授業でも講義をしていただきます。
今回のテーマは「生殖補助医療における社会的合意形成にむけて」でした。
生殖補助医療には、 ①人工授精 配偶者間人工授精(AIH)
非配偶者間人工授精(AID)
借り腹(ホストマザー) があります。
私たちは先生から頂いた3つの資料
資料2 死後懐胎や代理懐胎について 二宮周平『家族と法‐個人化と多様化の中で‐』より
について解説していただき、その資料が内容について肯定的に書かれているのかそうでないのか、また自分はどう思うのかを考えました。その後、3つの資料の内容の「何が問題なのか、何を考えなければならないのか」を考え、一人ずつ発表しました。以下は挙がった問題です。
・お金で代理母を雇って良いか
・(体外受精の)成功率、そして子供の健康への影響
・成功しなかった人への精神的、身体的、経済的負担
・子供の知る権利、知らされない権利⇔告知義務
・法体系も異なる外国との関係
・遺伝的つながり、出産する母の感情 cf) 1985 ベビーM事件(米)
・世界の中での判断の違い
・子供の引き取り拒否、依頼後の状況の変化
・誰の立場を最優先するか
・誰の幸福のためか
・生命の質、価値
次回の授業で、以上の問題を「科学・技術という視点」、「倫理・道徳という視点」、「社会的な視点」の3つの視点から考え、さらにどのような社会的枠組みが必要かも考えます。
初めて外部講師をお招きしての授業でしたが、堀先生の講義はとても分かりやすく、私たちは緊張しすぎず、かつ楽しく授業を受けることができました。個人的には、これらの問題についての法整備は大切なことだと思いました。次の授業も楽しみです。
※次回の授業(6月7日)で1学期の課題テーマ(第一、第二)希望を提出します。