活動報告(4/18)A6

今日は、はじめてのグループ討論を行いました。生殖と出生に関わる生命技術の研究開発が進んだ事態の中で、具体的な状況を想定し、技術の利用の選択・是非を含め意見を交換しました。

想定1:着床前遺伝子診断と胚選別

着床前診断で、病気の発症リスクの高い胚を検出できるようになり、発症可能性のないものを選んで着床できるという技術が発達した想定です。
私はあまり使いたいとは思いませんでした。この技術が優生思想に繋がる気がしたからです。確かに、遺伝性の病気をもつ親からすれば、子供に苦労をさせたくない、同じ気持ちを味わって欲しくない、という気持ちがあると思います。私のグループにも、その気持ちから賛成する人もいました。しかし、「選ぶ」という作業が、障害は何にせよ良くないものだ、という思想の元に成り立っていると思えてなりません。私たちにも得手不得手があるように、それぞれ弱点、苦手なものがあり、それが一人一人のパーソナリティに繋がっていると思います。当事者の気持ちと、「選ぶ」という技術の是非において、判断が難しい問題だと思いました。

想定2:クローンベビー
体細胞等からいわゆるクローンベビーをつくる技術を使うという設定です。
私は不妊治療に使うことは賛成ですが、誰でも使うことはよくないと考えます。想定は、彼氏を事故で亡くした彼女が、彼氏の体細胞から子供を作るというものでした。この想定の場合、生まれてくる子供に、生前から「彼氏の子」という価値が付けられてしまいます。子供のアイデンティティにおいて、親にあなたは〇〇な子といった狭い価値観で育てられてしまうのは、とても危険だと思います。これらの理由から、グループ内ではほぼ満場一致で、不妊治療のみ使うべきだという意見になりました。子を産み育てるということについて、改めて考えさせられる問題でした。

想定3:ドナーベビー
重い病気の子供に移植するために、ドナーとして、もう1人遺伝子の適合性が高い子を作るという想定です。
私は、ドナーとして生まれた子の将来を考え、この技術には反対します。確かにこの技術があれば、重い疾患に冒され、今か今かと移植を待ちわびている人達は救われます。助けられる技術があるのになんで使わなかった、と後悔するよりは、この技術を使うという意見もありました。しかし、ドナーとして生まれた子は、ある意味それで「お役御免」のようになると私は思います。もし自分が兄や姉を救うためだけに生まれたんだ、と言われたら、ショックは計り知れません。ドナーとして生まれた子も、1人の子供として尊重し育てられる環境で使うべき技術であり、広く使われる技術になるにはもう少し考える余地があると思いました。