6月21日 マウスの解剖 (3B28 ぽるて)

今日は京都大学から山中先生と研究員の方お二人にお越し頂き約1ヶ月間飼育したマウスの解剖を行いました。

○解剖実習の手順○
1.マウスをクロロホルムを染みこませたガーゼ入りの瓶の中に入れて蓋を閉め、安楽死させた。
2.バットの中にペーパータオルを広げ、瓶から取り出したマウスをひとり一匹ずつのせた。
3.マウスの体についたクロロホルムを拭き取って新たなペーパータオルの上に移した。
4.腹の皮に1兩擇蟾?澆鯑?譟⊂絏爾飽悊団イ辰独乕罎鬚呂した。
5.腹膜を切って左右に開き、内臓(腸、脾臓、肝臓、腎臓、子宮、胃、膵臓、肺、心臓など)を観察した。臓器を摘出し生理食塩水に浸した。
6.頭部の皮と頭蓋骨を切り脳を観察した。その他の部位についても自由に観察した。
7.子宮を取りだし、くびれのところをそれぞれ切断し、顕微鏡で胎児を観察した。
8.取り出した内臓や胎児を体に戻し、ペーパータオルでくるんでビオトープの近くに埋めた。


○感想○
 私はマウスを育て始めた日から、というより、生命論を選択すると決めた日から、いつかはマウスたちを解剖する、つまりは殺す日が来るんだ、ということをずっと意識していました。。だから、はじめからマウスに愛情を持たないよう意識的に予防線を張っていたし、常に実験対象としてマウスを世話してきました。
 そのためか、今日マウスが瓶の中で動かなくなり、そして自分の手で妊娠しているマウスの腹を裂いた時も、恐怖や苦痛を感じることはありませんでした。むしろ、私の心は好奇心に満ちあふれていました。マウスの内臓や胎児は本当にきれいで、マウスは死んでいるにもかかわらず、活き活きとした生命の躍動感を感じました。
 しかし、実習が終わり、自分の心にかけ続けていた暗示を解いたとき、私は急に罪の意識に襲われました。マウスと16匹の胎児の命を奪う権利など持たないくせに、ただ好奇心にかられ、マウスの体を笑顔で切り続けた自分に吐き気がしました。マウスを瓶の中に押し込んだ自分の手が気持ち悪くて仕方ないのです。これは、かけがえのない命を奪うという現実から目を背け続けたことへの罰なんだと思いました。
今日私がマウスの命を奪ったことがゆるされるのかどうか、未だに私にはわかりません。私が今回の実習でどれだけ大きな意義を得たとしても、それはあの17つの命の重みには代えられないと思うし、どうすればこの罪を償うことができるのかもわかりません。でも、山中先生がおっしゃったように、大切なのは今回の実習でマウスたちが教えてくれた命の大切さ、美しさを一生忘れないようにすることなのだと思います。最後になりましたが、丁寧にご指導して下さった山中先生、研究員の方々、私たちにこのような貴重な体験をする機会を与えて下さった森中先生、宮川先生、本当にありがとうございました。