6月21日  A29 Ran

 いつか解剖すると頭では分かっていても、可愛いです。白色なのも反則だと思いました。もっと灰色だったり汚い色だったら・・・、とも思いましたが、やっぱりどんな色でも抵抗はあったと思います。一目見たときから情が移ってしまい、解剖することを思い半泣き状態だったのですから、今日はできるのか不安でした。最初の麻酔でもう、堪りませんでした。命はこんなに簡単に奪うことができるのですね。ハサミを入れる手もプルプルでした。しかし、もう死なせてしまったのだから、最後まできっちり勉強させてもらおうと、決意をしないといけないと思いました。そこからは抵抗を感じつつも解剖を進めていくことができました。しかし赤ちゃんの入った子宮(チューブのような子宮!)が動いているのを見て、またまた涙がこみ上げてきました。しかし私達の暮らしは様々な動物実験の上に成り立っていると仰ったのを聞いて、知らないだけで私達はすごくたくさんの命を奪っているのだと思い、この涙は偽善なのか、と不安になりました。直接自分の手で命を奪ったのは初めてでも、間接的には数えきれないほどの動物が犠牲になってくれているのかと思うと、泣いている自分に疑問を感じました。心の奥に好奇心が隠れていることにも気づきました。
 とても貴重な体験をさせてくれてありがとうございました。色々なことを考える良い機会になりましたし、とても興味深い授業でした。