3c22 claire

私はこの妊娠しているマウスの解剖は一生できることがないと思い、それが生命論をとった理由のひとつでした。なので今日という日が来るのが悲しかったけど、かけがえのない命を与えてもらったマウスのためにもしっかり勉強させてもらおうと思って挑みました。
マウスのおなかを開き、臓器をひとつずつ確認していきました。私は生物を選択してないので、詳しくまではわからなかったけど、胃の中を開けたら消化しきられてないペレットが入っていたり、まだ心臓が動いているのを見ることができたり驚きの連続でした。脳をあけたときはあまりしわもないし小さいんだなと思いました。体の中は本当にきれいで生きているときの体を一瞬止めただけかのようにどこも生き生きしていました。最後に子宮をやぶって胎児を見たときは本当に感動しました。体の形はもちろん、しっぽや手まで見えて、人間の初期の胎児とそっくりでした。そこには16匹の命が宿っていたのです。思わずひるんでしまいました。この胎児たちもあと一週間もしたらおなかから出てきて元気いっぱいに動いていたのかもしれないと思ったとき、初めて自分のしていることの残酷さを思い知りました。今思うと妊娠しているマウスを解剖したいなんて軽はずみに考えていた自分が情けないです。
神経を集中させて解剖したため、とても疲れきりました。前病院で手術をして頂いた時7時間かかったみたいで、失敗の許されないお医者さんは、体力的にも精神的にも強くならなければならないんだなと思いました。
私はこの経験を一生忘れません。第一号(マウスの名前です)や胎児をはじめとするマウスたちには本当に感謝しています。ありがとうございました。