ねずみの解剖 3B25

解剖しました、一ヶ月ぐらい前に。




このマウスの実験で、一番記憶に残っているのは匂いです。

薬(エーテル?)の匂いもかなり鼻についていたとは思うのですが、
解剖中に漂ってきた生肉というかレバーかユッケのような・・・
兎に角生肉を彷彿とさせる匂いが一番印象に残っています。

ラットのお腹を完全に開いて、死んだということを認識しているなかに
そういう無機質さを否定するような残り香を感じた時は
「命」を物理的に認識たように思いました。



解剖については、皮を剥いで身を切るという初期作業が
私にとっては一番やりたくない作業でした。

気持ち悪いとか可哀相とかいうことではなく
生き物の「生き」の部分に触れるという感覚が我慢為らなかったからです。
だからこの作業を見学している時は、思いっきり眉間に皺がいきました。

実際自分が解剖する時も、ここにかなり時間を費やしてしまいました。
あと腎臓を取り出すのにも手こずりました、血管を切ってしまい大量出血でした。
この二つは実験作業においての反省点です。



私が解剖したのはメスだったので、中には胎児がいました。
子宮が小腸のように長かったので、初めは小腸の一部かと思いました。

胎児は全部で14匹で、腸の裏側に弧を描くように収まっていました。
このときも、生き物の「生き」に触れました。
ですが最初のような嫌悪感を抱くことはなく、
自分が生き物の解剖に慣れてきていることを実感しました。



全体的な感想として、
感情移入を意識的に避けていたので、悲しいという類の気持ちは沸いてきませんでした。
ただ、実験が終了してネズミが入っていた入れ物を洗っているときに少し虚無感を感じました。
普段の「いただきます」と「ごちそうさま」の様に、
感謝の気持ちはあるのにリアルがついてこない感じがしました。
あと自分は映画(エイリアン2以降)の影響で、胎児のような存在に
神秘的とかを通り越した感情を抱いてる事をやんわりと認識しました。