7/9 森中先生の授業 3B12

1、臓器移植法案改正

臓器移植法案改正における争点は、
’齢制限
∋爐隆霆
大きく分けてこの2点である。
衆議院では、A案として(’齢を問わない、脳死を死の基準)という改正法案が通り、参議院でも可決された。
これにより、アメリカなど海外に臓器提供を求めている人にとって、国内でも臓器提供の可能性が広がるであろう。特に今日まで禁止されてきた15歳以下の臓器提供が可能になったことが、注目されている。




2、iPS細胞について

iPS細胞とは
簡単に言えば、すでに臓器や組織に分化した体細胞を、まだ分化していない最初の状態(受精卵のような状態)に戻すことで、改めてさまざまな臓器などに成長する能力をよみがえらせたもの。たんぱく質を設計する遺伝子を4つ、ウイルスを使って細胞の中に送りこむことで開発された。

 ES細胞とは
ES細胞とは、胚の細胞を取り出し、培養したもの。限りなく増殖し、神経細胞だろうが血球だろうが、胎盤を除いたあらゆる細胞に分化することができる。体のどんな細胞でもつくることができる。

iPS細胞への期待
ES細胞には、胚を壊すことは生命の破壊になるという倫理的問題がつきまとっていた。前米大統領ES細胞の研究をこの観点から反対した。だが、しかし、自らの皮膚の細胞からでもあらゆる細胞に分化できるiPS細胞は、ES細胞のもつヒト胚の「道徳的地位」についての問題、人間と同じであるとするのか、物と同じであるとするのか、人間と物の中間であるとするのか、これを一気に解決した。
よって、iPS細胞は、今のところは治療法の確立されてない難病の治療などに期待されている。
また、もう一つの忘れてはならないメリットは、ES細胞を使用した時と比べ、iPS細胞には拒絶反応のリスクが低いという点である。これまでは、ES細胞を任意の他者の人工授精治療などにより必要とされなくなった胚から作製していたが、iPS細胞では自分の皮膚などからでも作製できるためにこのようなメリットが生じた。

 iPS細胞の課題
iPS細胞が胚の状態になっても、それがどのように分化し、それぞれの機関になるかが、まだ解明されていない。
また、マウスの実験においてあらわれた問題点は、iPS細胞のがん化であった。iPS細胞の能力を調べるためにiPS細胞をマウスへ導入した胚を別のマウスに着床させ、マウスを作製した所、約20%の割合でがんの形成が見受けられた。この結果はES細胞を用いた同じ実験よりも高い数値となるものだった。
その後、山中先生のグループは発がん性のある遺伝子を使用しないiPS細胞の作成に成功したが、作成効率は極めて低くなった。現在では、その効率を改善する方法の開発が進められている。





3、優性思想

鎌状赤血球貧血症という病気がある。
Aの遺伝子を持っていれば、インスリンが分泌されるが、突然変異が生じ、[aa]のためにインスリンが分泌されず、円状であるはずの赤血球が三日月状になっている病気である。
理論的に言えばこの病気は以下の二つの方法で解決できる。
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⊇仞諺或巴任鮃圓Α
この´△砲△欧燭海箸鮃圓ぁ病気はマイナス要素であるから、マイナス要素は排除しよう。病気を無くそう。と考えるのが優性思想である。
しかし!!
アフリカ赤道域では、鎌状赤血球貧血症の人が多い。
この地域ではマラリアの感染が多いが、鎌状赤血球ならマラリアには感染しないので、
この地域では、この遺伝子の保因者の方が、種の保存という点ではプラスとなる。
よって、優性思想には、劣性遺伝子を排除すれば、それが逆に種の破壊に繋がるかもしれないという問題点がある。



感想
地学選択者なら分かると思うが、今日の森中先生の優性思想のお話は岡本先生のdiversityの話と同じだと感じた。学問は様々な領域に区分されているが、根本的に学んでいるものは一つだけだと最近思う。
A案が可決されてしまったので、今日臓器提供を拒否しとかないと、明日死んで、家族がいいよって言っちゃえば、勝手に奪われるのかもしれないんだと思った。おーこわ。無知は怖い。