7/14 マウス解剖 感想 (3C41 もね)

コメント覧には入りきらなかったので記事として投稿します。




ハツカネズミを、今日、解体しました。
予定が急遽昨日変更になり、今日、実験に至りました。


ハツカネズミは、余りにもあっさりと動かなくなりました。
いとも簡単にその皮膚は裂け、気が付けばそこには沢山の臓器と、胎児が横たわっていました。

気が付くと、手はマウスの血液で汚れていました。
部屋にはエーテルと、マウスの血の臭いが漂っていました。

今日、私は初めて、自らの手で飼育した命を、この手で奪いました。


今日は朝から憂鬱で、生命論のため、しいてはマウスを解剖するための登校で、足取りは決して軽くはありませんでした。飼育し始めた頃は"実験動物"として見ていたし、それからも実験動物としてしか見ないようにいるつもりでした。
それでもやはり、毎日その姿を見ていると少なからず愛情が湧いてきましたし、それを止めることも勿論、私には出来ませんでした。

もしかしたら泣いてしまうかもしれない、と思っていました。

……人間は残酷ですね。

それなのに、エーテルに呑まれ動かなくなったマウスを目の前にした私は、もう"それ"を"もの"としてしか見ていませんでした。
どの臓器がどこにあって、どうやって取って、どうやって綺麗に見せるか。

お腹が開かれたマウスは、まるで工作で作った作品のように見比べられ、切られ、並べられ、私もまた哀しみなど一切感じずに着々と作業をし続けました。

それでも、ピンセットを持つ手は震えていました。
子宮から胎児を取り出したとき、初めて大きな声をあげました。
小さな小さなその胎児は、ヒトの胎児となんら変わらない、目を持ち、指を持ち、尻尾を持つ胚でした。

胎児を出してからしばらくは、ハサミを動かせませんでした。
悲しいと言うより、それは何とも言えない虚無感でした。
自分のしていることを、初めて自覚して、辺りを見回しました。


ハツカネズミは、余りにもあっさりと動かなくなりました。
いとも簡単にその皮膚は裂け、気が付けばそこには沢山の臓器と、胎児が横たわっていました。

気が付くと、手はマウスの血液で汚れていました。
部屋にはエーテルと、マウスの血の臭いが漂っていました。

今日、私は初めて、自らの手で飼育した命を、この手で奪いました。


解剖を終えて学校を出てから、軽い頭痛がおこり、しばらくは何も考えられませんでした。

そして今は、ただ、土に眠るマウスに
"ありがとう"
と想うばかりです。