第4回 5月12日 講義『発生・遺伝・進化』 森中先生  3B31

前回の授業から2週間おいての久しぶりの授業になりました。
今回は森中先生による、遺伝・進化をどう考えるかという講義です。
一貫して、優生思想に深く関連をもった内容でした。
 
最初に聖書における人間の発現の話を聞きました。
  神が7日で世界を創造されたこと、自分の姿に似せて人間を作り出したことなど…


<遺伝>
・遺伝病と遺伝子病の違い
 遺伝病……代々伝わっていく
 遺伝子病…遺伝子の異常での病気
 
・学校の生物で遺伝を扱うこと
   いとこ同士の結婚などで血が濃くなると、遺伝性疾患ができやすくなる
→国策として1人1人が正しい知識を持てるように教育をした
→遺伝性疾患を増やさないように努力する
 
・(例)競馬馬育成
   速い馬同士をかけ合わせて、さらに速い馬をかけ合わせていく
→数百年繰り返され、セレクトされてきた
  ……進化の大前提
 
<進化>
・進化…変化すること全般(退化も含める)
・進化論
 最初に唱えたのはチャールズ・ダーウィン 「生物は変化する」
 
ダーウィン自然選択説とラマルクの用不用の説
 (例)キリンの進化
 
ラマルク:用不用の説╼╼○/獲得形質の遺伝╼╼×
①食料である草が自分の首の高さまで無くなってしまった。
②もっと上の草、葉を食べたいと思い、首を伸ばそうと努力した。
  →少しだけ伸びた!(用不用の説)
③その子供は、生まれてきたときから首が伸びた状態だった(獲得形質の遺伝)
④それが繰り返される
 
  生物意思が進化の方向性を決定する
 
 
①一生において首の長さは変わらない
  その代わり、1つの個体からは首の長いのも短いのも生まれる(個体変異)
    ↓生存競争
②その環境に最も適したものが生き残る(適者生存)
     →弱肉強食
       ↪自然環境が誰が生き残るかを左右する


            →人間に適応できないか             ex.ナチス思想(人種)
        人間にあてはめられないか             ワトソン(IQ)
           ⇓ 
         優生思想の始まり
       遺伝因子を次の子孫へ残さない→世の中から遺伝病がなくなる
       病気なく/元気に 生まれてきてほしいと願うことは何も問題ないはず…
           ex.お腹の赤ちゃんにモーツァルトを聴かせる


○鎌状赤血球貧血症
Hbs(ヘモグロビン遺伝子)が染色体にのっているため、赤血球が鎌状の三日月形をしている(通常は円形で真ん中がくぼんでいる)。そのため酸素とうまく結合することができず、貧血により死亡してしまう危険が高い。
 
通常なら、生存競争において負けてしまうためHbsを持つ人は少ないはずだが、アフリカ赤道域(⇔風土病マラリア)ではほとんどの人がHbsを持っている。なぜ?
→Hbsがのっていると、マラリアは発病しない。
  つまり…
          Hbs     正常
   鎌状  ◎貧血   ×生存                 どちらかが適者生存
  マラリア ×生存    発病         →何が正常で何が悪いのか決めていいのか?
 
 
例えば赤と緑が区別できず、灰色に見えたりする。
性染色体(♂…XY ♀…XX)に劣性の遺伝子がのり、それが2つ揃うことにより発現する(ただしY染色体は小さいため遺伝情報をのせることはできない。そのため♂は片方のXにのってしまうだけで発現する)。
 
1つの染色体にのっていて発病しないもののことを保因者という。1人あたり数百の遺伝病を持っている(保因している)というが、相手と2つかぶるのは、23巻ある百科事典に、数百の文字をマーカーで引いたものがかぶるくらいの可能性である。
 
 
人間が色を認識するのに持つのは三原色(3つの色を識別する遺伝子を持つ)だが、形を認識する能力を上げた。
鳥類は四原色を持つ(→より鮮やかに見える)が、形を認識する能力を下げた(→夜は何も見えない(鳥目))。
    夜行性の鳥は逆に形を認識する能力に富む。
 
人間はその三原色を四原色に変えるための工事をしている。そのため3つのうちいくつかを壊してから作り変えるという作業が必要になる。その減らした状態で出てくるのが色覚異常である。
色覚異常の遺伝子を抹殺してしまったら、いつまでたっても四原色を得ることはできない
 
 
◎まとめて…
たくさんの遺伝子を負も正もたくさん残しておくことが大切なのではないか。
 
 
 
投稿遅くなってしまってすみませんでした。
私は、色覚異常のところでの進化の途中であるということに関して、人間が自分たちの暮らしをより豊かにしようと科学を発展させていっても、ヒトとしてはそんなこと無視して、勝手に進化する準備を始めているんだなぁと不思議な無力感を感じました。