6月25日 山中先生のおはなし 3C40

 
おそくなりました!
山中先生がうちの学校までいらっしゃって公演をしてくださいました。
 
iPS細胞について

まず最初に、山中先生の今までのお話でした。
山中先生は外国(アメリカ?)で研究されていましたが、お子さんが附小合格のしたので母子が帰国。山中先生もしばらくしてからやむを得ず帰国したそうです。
その時のES細胞研究を日本でも続けていいと言ってもらったものの、外国の方が環境も良いし日本に持って帰ってきたマウス2匹がどんどん増殖し世話が大変、もっと医学(人向け)の役に立つことをやれと言われ精神がお疲れ状態に。山中先生はこれをPAD(Post America Depression)と勝手に呼んでいるそうです。
研究を諦めて知り合いの伝で病院に医師として勤めようとしたが、なんとなく応募した奈良の大学の助教授募集に採用されました。ここは環境もよくES細胞関係の募集と運命的でした。

どうやって自分の研究室に生徒を集めようか悩んだ末、アメリカの経験を思い出してビジョンが明確な説明をしました。
というのも、アメリカでは研究者として大切なのはVision & Hard work。前者のビジョンを明確にすること(何を目標とするのかみたいな)は外人の得意なところでした。ハードワークは日本人が得意。つまり日本人にはVisionが必要ということでした。
結果は、3人の生徒が集まり、iPS細胞研究にも大きく貢献したそうです。


知識編。

まず、ES細胞(マウス)というものが出来ました。これはどんな細胞にでもなれる。無限に増やせる。お金さえあれば脳の細胞も作ったりできる。これは受精後間もない受精卵を使用します。
マウスは着床まで4日くらいです。この期間を胚と呼びます。
マウスは遺伝子操作がしやすいそうです。

次に、HES細胞(人)が出来ました。これは、体外受精の際に多目に作られた受精卵を使用しました。しかし拒絶反応が起こってしまいました。
倫理的な問題で反対も多く、日本では許可出ず、アメリカでも法的に公のお金を使えませんでした。

辿り着いたのがiPS細胞(人)でした。これは皮膚の細胞を採取し初期化するもので、最近は髪の毛や血液からも採れるそうです。
主に病気モデルを作ったり、治療薬開発の実験台などといった方法で使用されます。
たとえば、心臓の弱い人が新薬を服用した場合の副作用が知りたい場合、人体実験ではなくそういった人のiPS細胞を採取しそれで実験を行う。
ほかには、パーキンソン病、糖尿病など。

このような研究をしていると、最終的に論文・特許の競争になるそうです。
知的財産を守るためその道のプロにおまかせするのだとか。
アメリカに委託すると特許費用を要求するため、京大の企業が直接特許を取ったりしてる(?)そうです。

山中先生は、とてもすごいことをなさっているのに、とても気さくそうな、楽しい話し方をなさる方でした。
とてもお忙しいのでしょうに、私たちがお話を聞けたことは、とても貴重な体験だったと思いました。