ラットの解剖(川合先生) 7月12日 3D09

今回は、大阪夕陽丘学園で医学博士、獣医などもされている川合清洋先生のご指導を受けラットの解剖をしました。
 
最初の1時間でラットについてや解剖の方法を講義して頂いた後に実際の手順を見せてもらい、その後自分たちでラットを解剖しました。
-解剖の目的-
からだの構造(つくり)を知る→からだの機能(はたらき)を知る。
実験動物からヒトへの外挿を知る。
  その他の説明もたくさんして頂いたのですが、割愛します。
 
-手順-
1.瓶の中のペーパータオルにエーテルを染み込ませ、ラットを入れて密閉する。
2.動かなくなったら瓶から出し、トレイの上に出して腹を切開する。
3.肝臓・腸・腎臓・副腎・脾臓膵臓を確認して取り出す。次に胸部を切開し、心臓・肺・気管・胃を摘出する。
4.生殖器を確認し、摘出する。雌は子宮を摘出する。
5.頭蓋骨にはさみを入れ、脳を取り出す。
6.子宮から胎児を取り出して顕微鏡で観察する。
 
観察した後は臓器を体内に戻して紙で包み、ビオトープに埋葬しました。
 
-感想-
1ヶ月ほど前からラットを飼い始めて、昼休みには生物講義室で世話をするのが習慣になっていました。あまり愛着を持たない方がいい、と先生から忠告されていたにも関わらず、慣れてくるとだんだん遊ぶ時間が長くなり、昼休みが楽しみでした。
そして解剖当日を迎えて川合先生が(こう言っては失礼かも知れませんが)淡々とラットを解剖されているのを見て、正直恐ろしいと思っていました。麻酔をかけるのは自分の手でしなければならず、1ヶ月世話をしてきたラットを殺すことに正直びびってました。
ラットを入れて瓶のふたを押さえている時の気持ちはやった人にしか分からないと思います。悲しかったのか辛かったのか、なんだかわかりません。
それでも。解剖を進めているうちはあまり辛いとは思いませんでした。むしろ、どうなっているのか気になって積極敵に手が動いていました。
先生が言っておられた通りに臓器があって、この小さな体に人間と同じように(当然ですが)たくさん詰まっていることに驚き・・・。脳を観察して視神経と聴神経ときちんと繋がっていることに気づいたときは感動もしました。また、胎児を見てみると、肉眼でも指やしっぽが観察できるほど成長していて、すげえ!と口々に言っていました。
 
川合先生は、「この子たちはいつか必ず殺される。だから君たちの手で殺される方が幸せかもしれないよ。ご飯を食べるときに言う、いただきます、と同じ気持ちで。」とおっしゃっていました。ラットに幸せがあるか分からないし、殺されるために生まれてくるということに違和感も多少あります。普段の食事に、彼らに対するほどの感謝はしていないことの葛藤も感じました。
ただ、何にしても、私達にとって糧になったことは確かです。
ありがとう。そう思います。