第五回

5月29日(木) 5,6限

今回の授業は、藤田先生に『不妊治療の実際』というテーマで講義していただきました。

事前学習として、共同通信社社会部の「わが子よ」を読み、特別養子縁組、不妊治療、卵子提供などについての知識を得てから、講義に臨みました。

講義の内容としては、
1)不妊治療について
  現在の日本の生殖補助医療技術は、卵子の大きさで排卵日を予想する”タイミング法”、採精したものを女性の体内に入れる”人工授精”があり、その最終段階として”体外受精””顕微授精”がある。しかし、男性、女性それぞれの身体などの原因によってどの段階から治療を始めるかは異なってくるそうだ。
 また、不妊治療には膨大な費用がかかるほか、成功確率が低いことから、精神、身体ともに大きな負担がある。

2)日本では
①日本の卵子提供、代理出産の現状
 現在、日本では、卵子提供、代理出産は日本産婦人科学会が自主規制をしてから、日本では行われていないうえ、卵子提供や代理出産についての法整備がされていないのが現状である。だから、卵子提供を求めて海外に渡航する人も少なくはないそうだ。

②日本の団体
 現在日本では、ターナー症候群、卵巣機能不全の人たちで組織された”OD-NET”が海外に渡航せずに国内で卵子の提供を受けられるようにしようと活動している。また、生殖補助医療に携わる産科医の有志グループ”JISART"が法整備をしようと活動している。

3)不妊治療などについての法整備
 現在、国会にて不妊治療についての法整備が始まっているが、法律になるにはまだ時間がかかるようだ。「子供の出自を知る権利」というのが話にでているそうだ。

4)最後に
不妊心理の独自性
①環境・対人関係性要因…子供がいなかったら可哀想という社会環境。
②自己信念性要因…結婚したら、当たり前に妊娠すると思っていたのでショックを受ける。
③医原性要因…結果がすべてになってくる不妊治療において、一刻も早くという医療サイドのおもい。また、そのような場合、妻に旦那さんがついていけていないことがある。

 以上のような3つのものがあるが、夫婦2人が様々なことを考えて決めていけばいい。団結力などでいくらでも幸せになる。

感想
 藤田先生からの「自分が不妊かな?ってなったらどうするか」「もし、旦那さんが許可出したら精子提供をうけるか」という質問に対しての意見としては、私は、子供が生まれるまで不妊治療を受け続けると思うし、自分と旦那さんの遺伝子を持つ子供がほしいなとも思う。だけど、不妊治療をするにも時間が無限にあるわけではないと思うから、その時に自分の気持ちを抑えて治療をやめることができるかはわからないなと思った。また、特別養子縁組や里親を一つの手段として考えられるかもその時にならないとわからないなと思った。
 また、別の質問として、「自分がもし、両親の少なくとも一方の血をひいていないとして、いつそれを知りたいか」というのに対しては、他のことは違って、今ぐらいの時期(高校生くらい)に知りたいなと思った。生命論などで様々な知識を知ったころに教えてもらうのが一番受け入られるのではないかなと思った。
 
 まだまだ、自分とは遠い妊娠や出産のこと。けれど現在も不妊症やそれ以外のことでもたくさんの人が悩み、たくさんの人が様々な活動をしているんだと思った。まだまだ、法律的にも社会的にも不利な日本が、不妊治療をしている人たちに治療を受けやすい環境になればいいなと思う。

 3D 31