第7回

6月12日(木)5.6限

更新が遅くなってすいません。

今回は吉川先生に『高校「倫理」における生命』について講義していただきました。

講義内容
1.生命を論ずる視点
・「できること」の広がりと「してはいけないこと」の線引き
・最先端科学の進展と社会的合意的形成の難しさ

2.トロッコ問題
功利主義(ベンサム) リベタニアン:両者が満足しているならそれでいい。
・義務論(カント)   リベラリスト:最も恵まれない者にとっての利益を考える。
・人倫(ヘーゲル)   コミュニタリアン:ものの価値はその時の状況によって変わる。
・生の価値を選べるか?
10人の命を救うためにどこまでは利用・犠牲にしてもよいか。
(死体、余命1週間の人の命、ペットの犬、受精卵…など)

3.代理母・ベビー・ビジネス:生殖補助医療の現状
・人工授精(配偶者間・非配偶者間)
体外受精(精子提供・卵子提供・胚の提供)顕微授精
・代理懐胎(サロゲートマザー・ホストマザー)

感想
吉川先生は講義の間、よく私たちに話を振ってくださいました。トロッコ問題に関してや代理母について、自分ひとりで考えるとどうしても意見が偏ってしまうので他の人の意見を聞けて良かったです。
先生の話を聞いていて、まず難しいなと思ったのがトロッコ問題です。レバーを引いて1人の命を犠牲にして5人を救うか?私はその問いにはNOと答えました。理由はレバーを引いてしまうと、5人を救えたとしても1人の人を自分の手で殺してしまったという罪悪感が残るからだろうと思います。そのあと先生は条件を変えて、「1人を犠牲にして100人を救えるとしたら?」とか「片方に知り合いや家族がいたらどうだろう?」と聞きました。結果だけを考えれば1人より100人をとる方がいいのか。けれど命の重さを量だけで決めてもいいのかな。また家族を犠牲にはしたくない。などとても複雑でした。
それから印象に残ったのは、代理母がビジネス化しているということについてです。今までに不妊治療の話も聞いていて治療中の方たちが本当に赤ちゃんを望んでいることを知っています。インドでの生殖医療の現状を例に挙げると、インドのホストマザーにとって一回の代理出産は約10年間分の収入にあたるそうです。インドの女性は収入が少なく困っているが、赤ちゃんを産める。日本の女性はお金はあるが、赤ちゃんを産むことができない。代理母出産をビジネスとして提供するのは両者にとって利益になります。今はまだ日本では代理母が認められておらず、かなりの費用が必要となるため代理母という選択をする女性は本当に赤ちゃんを産むことができない方だと思います。けれど将来もっとビジネス化が進んでもっと代理母出産が一般的になったら仕事を辞めないためにその選択をするということも普通になってしまうかもしれません。私はそれはさすがに自然ではないのでは、と思います。それにそんな簡単に出産を操作できるというのは少し怖いような気がします。だから私は代理母について絶対禁止というわけではありませんが、日本は早くそのあたりの法律をまとめて、ある程度は制限すべきだと思いました。

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