春休みの課題  ハンセン病を生きて ―きみたちに伝えたいこと ― 伊波敏男 著 (岩波ジュニア新書) を読んで  (5)

この本を読んで、僕は日本でハンセン病の患者を不必要に隔離し続けていたということやハンセン病の患者ではない人々からの差別があるという事実を初めて知り驚きました。この本を読む前もハンセン病という病気が日本にあったということはテレビのニュースや新聞などで見たことがあり知っていました。しかし、国が患者を強制的に療養所に入れるという法律を作っていたり、ハンセン病に対する特効薬があり治る病気であることなどたくさんのことを知りませんでした。今回、生命論の課題でこの本が課題でなければハンセン病のことについて知ることはなかったと思います。この課題でいままで行われてきたハンセン病の扱いに対する差別や世間の誤った情報を知ることができ、とても勉強になりました。
この本を読んで最も強く感じたことは、正しい知識を身につけるということと身につけようとすることの大切さです。ハンセン病患者ではない人々は正しい知識を知らなかったためにハンセン病の患者を差別するということになってしまったのだと思います。ハンセン病を引き起こす「らい菌」は、非常に感染力が低く、ハンセン病は治療をすれば治る病気です。しかし、このようなことを知らずに、ハンセン病患者の後遺症などで変わってしまった外見のみで、ハンセン病は怖い病気で自分だけは絶対にかかりたくないと一般の人々は思ったのだと思います。そして、自分は絶対にかかりたくないというこの気持ちからこのように国が主導して隔離をするということや差別をするということにつながったのだと思います。もし自分が当時のようにハンセン病に関する知識を持っていなくて、ハンセン病の患者さんだけを見ていたら、同じように怖いと思ってしまうと思います。そこで、病気について正しい知識を身につけようとしたり、正しい知識を持っている人が知らない人に伝えていくということが大切だと思います。それは患者ではなく、研究者や医者など正しい知識をもっている人が率先して行動していくことだと思います。
もし日本でこれから同じようなことが起きれば、また同じようなことになってしまうと思います。なぜなら、今はハンセン病のような問題が起こった時以上にインターネットなどでたくさんの情報が広まってしまうからです。インターネット上の情報には正しい情報もありますが、正しくない知識を持った人によって載せられた誤った情報もたくさんあります。今でもたくさんの誤った情報が流れていてそれを信じてしまう人がいます。このようなことを起こさないためにはたくさん入ってくる情報を正しく判断する必要があります。それを防ぐためにも正しい判断できるように勉強をしっかりしなければならないと思います。そして、この本にある通り正しい知識を持っている人が間違っていることは間違っていると言っていかなければならないと思います。
僕がこれから生きていく中で、これからまた別の形で同じように差別が出てくるかもしれません。今までもハンセン病以外にもたくさんの差別が行われてきました。そのようなときは、誤った情報を信じて差別をする側の人々ではなく、正しい判断をして間違ったことは間違っていると伝えられる側の人になれるように気を付けていきたいです。