長島愛生園 見学感想 1年生(F)

 今、私の周りにハンセン病の元患者さんがいたとして、私はその人たちを差別したのだろうか。幸せなことに、私はあまり日常で差別を感じたことはない。しかし、元患者さんの中尾さんのお話を聞き、まだ差別は残っているのだと思うととても悲しく、複雑な気持ちになった。愛生園で学んだ悲しい歴史は、人間の反省として残していくべきである。何がこのような結果をもたらしたのかを考えることで良い方向に向かうはずだ。そうであることを切に願う。
 私は何よりも、今元患者さんが幸せそうであったことに本当に安心した。「人間回復の橋」と呼ばれる邑久長島大橋。家族との辛い思い出。同じ患者さんたちとの思い出。そのような中で力強く行き続けた方々を本当に尊敬する。それでも、元患者さんのあの日々が戻ることはない。こんな日常に暮らす私たちに一体何が出来るだろう。完璧に差別を無くすことは出来ないのかもしれない。でも、もう決してこのような失敗は引き起こしたくない。答えをまだ出すことは出来ないが、本当に貴重な経験だった。