10月9日 生命倫理と法 (3A24 もも)
今回は生命倫理と法について、代理母問題を中心として木村先生にお話を聞かせていただきました。
生命倫理に関する法的問題
生命倫理が法の分野で取り上げられるのは主に
^貭蠅旅坩戮篌存海龍愡
∪舷J篏?緡鼎伐搬牡愀
B山嫁綵?禅瓠 ,裡海帖
代理母について
1.代理母とは
1)借り腹出産 ホストマザーhost mother
夫の精子を第三者の子宮に人工授精を用いて妊娠させ、この第三者が妻のかわり に妊娠・出産をおこなう
・第三者は子宮のみを貸与する
・遺伝上は依頼者夫婦の子供である
2)代理母出産 サロゲートマザーsurrogate mother
夫の精子を妻以外の女性に人工授精し出産=卵子と子宮を貸して出産
・遺伝的上は夫と代理母との子供である
2.日本の状況
1)原則禁止?
現在日本では、代理母の利用を禁止する法律・認める法律は存在しない
産婦人科学会の会告(医師によって定められた自主的なルール)によって、代理母の 利用は禁止されている
2)実施例
日本国内では、代理出産の実施を公表している医師は一人である。その医師による と、1999年以降、15組の代理出産が試みられ、8組が出産したとされる
代理母を利用することを希望する場合には、海外に行くケースが多い。日本人が国 外で内裏懐胎を依頼した例は、すでに100例を超すと言われている
代理母の使用は認められるべきか?
各班(3~4人)に分かれて以下の内容について意見しあった。
→意見が分かれることもあったが、最終的にはひとつの法律に…?
【代理母を認めるならば】
(1)依頼者の要件は?
・法律上、婚姻をしている夫婦
・婚姻をしていないカップル
・単身者
・同性愛のカップル
→子供の将来を考えると、やはり夫婦のみ?
(2)依頼者の動機は?
・医学的に必要な場合
・妊娠・出産を回避して楽に子供を産みたい
・優秀な子供・健康な子供がほしい
→医学的に必要な場合だけでないと、自分勝手な理由の人が増えてしまう?
(3)誰の精子・卵子を用いるか?
・夫の精子
・妻の卵子
・代理母となる女性の卵子
・第三者(妻でも代理母でもない女性)の卵子
・夫以外の男性の精子
→やはり育てる父か母か、どちらかと血がつながっていたほうがいいのでは…
(4)代理懐胎者の要件
・依頼者の母親(子供の祖母)・依頼者の姉妹?
・友人は?
・他人?
→これには大きく個人差あり。本人の意志でいいのでは
(5)代理懐胎者の要件
・出産経験のある者にかぎるのか・子供のいる者にかぎるのか
・年齢制限を設けるのか
・代理懐胎の回数を制限するのか
→すべて賛成。ここは厳しくすべき
(6)報酬・費用の問題
・代理母にお金を払うことが許されるか。
いくらくらいが良いか?
最低限の費用(交通費・妊娠期間中の生活費など)のみ?報酬?
・代理母の紹介を商売とする企業を認めてよいか(精子バンクのような)
→多少の報酬はやはり必要では?あまり多額にならないよう
(7)子供の引渡しの問題について
・代理懐胎者が、子の引渡しを拒絶した場合に、無理やり子供を引き離すことがで きるか。
・子供がどちらにも引き取られない場合において、どのような処理をとるのか。
・こどもが障害児であった場合において、引き取らないことを認められるか。
→これは難しい… しかし法律がないと裁判も増える
【禁止にする場合】
(1)禁止をするのみ
(2)処罰を設ける
・医師に対して
・依頼者夫婦に対して
・代理母に対して
☆現在の議論の状況☆
現在、厚生労働省や医師会、法律家の中では代理母の利用を禁止する立場が有力。
日本学術会議の報告書「代理懐胎を中心とする生殖補助医療の課題―社会的合意に向けて」によって、代理懐胎の試行的実施(臨床試験)が行われることが提案されている。この報告書では、原則的に代理懐胎を禁止するものとしているが、代理懐胎の医学的問題、具体的には懐胎者や胎児・子に及ぼす危険性のチェック、特に出生後の子の精神的発達などに関する長期的観察の必要性があるとしている。そこで、先天的に子宮を持たない女性及び治療として子宮の摘出を受けた女性(絶対的適応の例)を対象に限定して、厳重な管理の下での代理懐胎の試行的実施(臨床試験)をおこなうことを考慮するとしている。
*感想*
とても興味深く、貴重なお話でした。
法律と絡んだ倫理的問題を、私たちにも分かりやすいように説明してくださったので、よりいっそう深く考えることができました。
またディスカッション形式で意見の出し合いもおこない、代理母出産を認める場合などの擬似法律をつくってみたのがとても楽しかったです。
本当にありがとうございました。
遅くなってすみませんでした;;
生命倫理に関する法的問題
生命倫理が法の分野で取り上げられるのは主に
^貭蠅旅坩戮篌存海龍愡
∪舷J篏?緡鼎伐搬牡愀
B山嫁綵?禅瓠 ,裡海帖
代理母について
1.代理母とは
1)借り腹出産 ホストマザーhost mother
夫の精子を第三者の子宮に人工授精を用いて妊娠させ、この第三者が妻のかわり に妊娠・出産をおこなう
・第三者は子宮のみを貸与する
・遺伝上は依頼者夫婦の子供である
2)代理母出産 サロゲートマザーsurrogate mother
夫の精子を妻以外の女性に人工授精し出産=卵子と子宮を貸して出産
・遺伝的上は夫と代理母との子供である
2.日本の状況
1)原則禁止?
現在日本では、代理母の利用を禁止する法律・認める法律は存在しない
産婦人科学会の会告(医師によって定められた自主的なルール)によって、代理母の 利用は禁止されている
2)実施例
日本国内では、代理出産の実施を公表している医師は一人である。その医師による と、1999年以降、15組の代理出産が試みられ、8組が出産したとされる
代理母を利用することを希望する場合には、海外に行くケースが多い。日本人が国 外で内裏懐胎を依頼した例は、すでに100例を超すと言われている
代理母の使用は認められるべきか?
各班(3~4人)に分かれて以下の内容について意見しあった。
→意見が分かれることもあったが、最終的にはひとつの法律に…?
【代理母を認めるならば】
(1)依頼者の要件は?
・法律上、婚姻をしている夫婦
・婚姻をしていないカップル
・単身者
・同性愛のカップル
→子供の将来を考えると、やはり夫婦のみ?
(2)依頼者の動機は?
・医学的に必要な場合
・妊娠・出産を回避して楽に子供を産みたい
・優秀な子供・健康な子供がほしい
→医学的に必要な場合だけでないと、自分勝手な理由の人が増えてしまう?
(3)誰の精子・卵子を用いるか?
・夫の精子
・妻の卵子
・代理母となる女性の卵子
・第三者(妻でも代理母でもない女性)の卵子
・夫以外の男性の精子
→やはり育てる父か母か、どちらかと血がつながっていたほうがいいのでは…
(4)代理懐胎者の要件
・依頼者の母親(子供の祖母)・依頼者の姉妹?
・友人は?
・他人?
→これには大きく個人差あり。本人の意志でいいのでは
(5)代理懐胎者の要件
・出産経験のある者にかぎるのか・子供のいる者にかぎるのか
・年齢制限を設けるのか
・代理懐胎の回数を制限するのか
→すべて賛成。ここは厳しくすべき
(6)報酬・費用の問題
・代理母にお金を払うことが許されるか。
いくらくらいが良いか?
最低限の費用(交通費・妊娠期間中の生活費など)のみ?報酬?
・代理母の紹介を商売とする企業を認めてよいか(精子バンクのような)
→多少の報酬はやはり必要では?あまり多額にならないよう
(7)子供の引渡しの問題について
・代理懐胎者が、子の引渡しを拒絶した場合に、無理やり子供を引き離すことがで きるか。
・子供がどちらにも引き取られない場合において、どのような処理をとるのか。
・こどもが障害児であった場合において、引き取らないことを認められるか。
→これは難しい… しかし法律がないと裁判も増える
【禁止にする場合】
(1)禁止をするのみ
(2)処罰を設ける
・医師に対して
・依頼者夫婦に対して
・代理母に対して
☆現在の議論の状況☆
現在、厚生労働省や医師会、法律家の中では代理母の利用を禁止する立場が有力。
日本学術会議の報告書「代理懐胎を中心とする生殖補助医療の課題―社会的合意に向けて」によって、代理懐胎の試行的実施(臨床試験)が行われることが提案されている。この報告書では、原則的に代理懐胎を禁止するものとしているが、代理懐胎の医学的問題、具体的には懐胎者や胎児・子に及ぼす危険性のチェック、特に出生後の子の精神的発達などに関する長期的観察の必要性があるとしている。そこで、先天的に子宮を持たない女性及び治療として子宮の摘出を受けた女性(絶対的適応の例)を対象に限定して、厳重な管理の下での代理懐胎の試行的実施(臨床試験)をおこなうことを考慮するとしている。
*感想*
とても興味深く、貴重なお話でした。
法律と絡んだ倫理的問題を、私たちにも分かりやすいように説明してくださったので、よりいっそう深く考えることができました。
またディスカッション形式で意見の出し合いもおこない、代理母出産を認める場合などの擬似法律をつくってみたのがとても楽しかったです。
本当にありがとうございました。
遅くなってすみませんでした;;