ホスピスについて 3A31 SYMPOSIUM

おくれてすいません。
淀川キリスト教病院ホスピスの看護士の田村恵子先生に来ていただき、ホスピスについての講演と、ご自身が出演されたテレビ番組のDVDを見せていただきました。


講演ではホスピスの目標は、そこで行われる緩和ケアには身体的苦痛だけでなく精神的苦痛の緩和も含めた、総合的なQOL(Quality of Life)の向上であることや、実際にQOLを向上させる為にどのような事を行っているかを、DVDでは実際の患者さんとの接し方等を学びました。


☆「緩和ケア」の定義・要件
WHOは緩和ケアを
『緩和ケアとは、治癒を目的とした治療が有効でなくなった患者に対する積極的な全人的ケア(total care)であり、痛みやその他の症状コントロール、精神的、社会的、そして霊的問題(spiritual problems)な解決が、最も重要な課題となる。緩和ケアの目標は患者とその家族にとってできる限り可能なQOLを実現することである。このような目標を持つので、緩和ケアは末期だけでなく、もっと早い時期の患者に対しても治療と同時に適応すべき多くの利点を持っている。』
と定義し、
要件を
・生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れることとして死に行く過程にも敬意を払う。
・死を早めることも遅らせることもしない。
・痛みのコントロールと同時に、痛み以外の苦しい諸症状のコントロールを行う。
・心理面のケアや霊的な(spiritual)面のケアも行う。
・死が訪れるまで患者が積極的に生きていけるように支援する体制をとる。
・患者が病気で苦しんでいる間も、患者と死別した後も、家族の苦難への対処を支援する体制をとる。
と定めています。
また、文章中に出てくる霊的問題とは、死を身近に感じ始めたときに出てくる感覚などのの事で、主に
”垳?心(なぜ私が?)
¬飢礎祐(家族や他人の負担になりたくない)
絶望感(そんなことをしても意味が無い)
ず畧婀(罰が当たった)
ジ鋲抜(誰も私の事を本当にはわかってくれない)
脆弱感(私は駄目な人間である)
О箚?(神様も救ってくれない)
┠哉慨(正しく人生を送ってきたのに)
困惑感(もし神様がいるのならば何故悲しみが存在するのか)
無意味感(私の人生は無駄だった)
等があげられます。


☆具体的にどのような事を行っていくか
緩和ケアは患者だけに行っていくものではありません。患者の家族への緩和ケアも重要になってきます。
家族へのケアとしては
・自らの家族観、価値観から自由であること
・中立な立場であること
・自らの誤りを認め修正する柔軟性を持つこと
などがあげられ、医療を提供する側の立場と請ける側の立場の間のパートナーシップを確立させることが大切だとされます。
また、患者自身が死去した後もグリーフケアという遺族に対するケアが行われています。