5/13の授業報告(3A11)

0.進化~ポケモンと現実との違い~
 ①よくも悪くも変化すれば進化(コウモリは洞窟で目が退化)
 ②獲得形質は遺伝しない(わざは子孫に受け継がれない)
   獲得形質:獲得した形質 ex.陸上部入ってがんばった→筋肉発達&足が速くなった
 
1.進化
 進化の過程は誰かが見られるものではないです。
 ので、好き勝手に主張することができるのでいろんな「進化論」と呼ばれるものがありますが
 科学者の中で最も信頼されている進化論が
 
 です。そしてこれと対立する位置にあるものが ラマルクが主張した『用不用説』『獲得形質の遺伝』 です。
 違いを、よく使われる「キリンが首が長くなる過程」の例で簡単に考えてみましょう。
 
 ラマルクの主張
 ①昔々AとBという同じ長さで首の短いキリンがいたんだ。(±0cm)
  Aは高い木の葉を食べようと毎日がんばっているうちに、一生かけて首が1cm伸びた(+1cm)が、
  対するBは特にがんばらなかったので首の長さは変わらなかった(±0cm)。
 ②Aの子どもJr.Aは生まれた時から1cmだけ首が長いという特徴を受け継ぎ【獲得形質の遺伝】、
    (頑張り屋の血筋なので)また一生かけてさらに1cm伸ばしたんだが(+2cm)
  対するJr.B生まれたときから何もがんばりませんのでやはり首の長さは変わらなかった(±0cm)。
  ③これを繰り返していくと、頑張り屋の血筋のAの子孫は今のような長い首になったんだ。
  がんばって葉っぱを食べるためにいつも首を使ってたからだ。【用不用説
 
 ダーウィンの主張
 ①昔々、あるキリンがいたんだ。(±0cm)
 ②彼の3頭の子どもA、B、Cは個体変異によってAは-1cmで、Bは±0cmで、Cは+1cmで生まれてきた
  彼らが生存競争した結果、より高いところの葉っぱが食べられるCが生き残った。これを適者生存と言う。
  その適者を決めるのは自然環境だ。【自然選択説
 ③このCの子どもがまた生存競争をくり返し、より首の長いキリンが生き残ったんだ
 
 注意:ラマルクの主張は「獲得形質が遺伝する」という点で現在は認められていません。
 図説―p.245
 
2.遺伝
   DNA     →    遺伝子
 体の設計図       A(優性)―(優生思想の「優」とは関係ない)
 A,G,C,Tの組合せ     a(劣性)― 突然変異による
 30億の塩基がある    AとaがあったらAが発現する
 
優生思想
  人類をより優秀なものにするため悪い遺伝子の血筋を絶やし、優れた遺伝子だけを残していこうという考え
 具体例で考えてみましょう
 
  鎌状赤血球貧血症(図説―p.107
  …遺伝病。赤血球が鎌状に変形する。
   ①貧血を起こしたり、悪いときは死亡する場合もある。
   ②マラリア耐性がある
 これは遺伝子突然変異によるものです。その遺伝子は劣性遺伝子で、ここではそれをHbSとして表し、対する普通の赤血球の遺伝子をHbとして説明します。
 下の図は特定の地域におけるそれぞれの遺伝子を持っているおおまかな人の数を示したものです。
 
        Hb     HbS
日本    多い ≫ 少ない
アフリカ      =
赤道域    (同じぐらい)

 アフリカ赤道域ではマラリアが風土病としてあるので、マラリア耐性のあるHbSをもった人が多くいます。なぜ同じぐらいなのかと言うと
 マラリアで死なず、貧血で苦しむか 貧血で苦しまず、マラリアで死ぬか というどちらの遺伝子でも一長一短の状況だからです。
 よって日本よりHbSを持った人の割合が多いわけですが、これは先程出てきた適者生存の例とも見ることができます。(図説―p.245
 
 さて、優生思想の人たちはこう言います
 「HbSをなくしたほうが貧血で困る人いなくなるしいいじゃないか。
  どうせ自然が選択していることなんだから、その代わりに人間が選ぶだけだ。
  HbSをなくすことは悪いことじゃない。」
 
 ただ人間が選択するということは人間の価値基準を持って選択するということです。
 そしてもしHbSをなくすことができたとき、マラリアが世界で大流行したら、マラリア耐性の遺伝子を持つ人はいないわけですから…
 
 あなたはどう考えますか?
 
3.ES細胞(iPS)
 腎臓を悪くしてしまった場合、人には再生能力がないので自動的に元に戻ることはありません。
 そこで移植という手段が生まれたわけですが、
 日本国内では15歳未満の子どもからの移植ができなかったり、
 海外で移植をしようとしても多額の費用がかかったり、
 順番がなかなかまわってこなかったりといろんな問題がありました。
 また、その臓器の後ろにあるのは「人の死」です。
 そこで登場したのがES細胞でした。
 
 ES細胞とは簡単に言えば『生体外にて、理論上すべての組織に分化する、つまりすべての臓器になることができる細胞のこと』です
 受精卵にある薬品を反応させると分化することがわかり、分化したそれを移植することで再生医療への応用できるのではないかと期待されています。
 
 しかしこのES細胞にも問題点があります。
 受精卵を使うということ。
 そしてこれは臓器移植と共通の問題ですが、移植時の「拒絶反応」です。
 
 ここで考えられたこと、それは「体の細胞を受精卵の状態に戻せないか?」というものでした。
 それがiPS細胞です。
 そもそも腎臓などの細胞も、他の心臓などの遺伝子情報をもっています。
 ただ、その情報は眠らされていて、読み取られることはありません。
 これをなんとかして戻すことができて、かつその技術が実用化されれば、
 ・誰かの命を使うことにもならず
 ・拒絶反応もない
 移植が可能になるということです。
 
 ただSF的に言ってしまうと、これは「自分の細胞から自分の全身が作れる」ということになります。
 
 以上、授業報告でした。
 
個人的な感想のようなもの
・投稿が遅くなってしまって本当にすいませんでした。
・家のプリンタが壊れていて全て字になってしまったのが残念でなりません。
 できるだけわかりやすく説明しようと努力しましたが、
 自分でも理解が甘い点が多々あり、自信がないので
 ここ間違ってるよ、とかあったら遠慮せずコメントで言ってください。
 できたらまた図だけ貼りたいです。
・生命論の一番大事な「自分で考える」ということを潰さないために
 できるだけ主観的な書き方をさけた結果、ちょっと文章が不自然になってしまったかなって思います。
・この授業で学んだ知識をこれからいろんな観点で深めていくことを考えるとわくわくします。