生命論 第13回 3C35

遅くなってすいません(>_<)
 
今回は、大阪市立大学 大学院文学研究科 土屋貴志先生に講義していただきました。
 
まずは2005年2月20日に毎日放送で放送された「夢の新薬の幻想ー抗がん剤イレッサ副作用被害」のビデオを見ました。以下にその内容を簡単にまとめておきます。
 
2002年7月に肺がん治療薬であるイレッサが世界に先駆けて日本で初めて承認されました。
当時イレッサには副作用がなく、画期的な治療効果がある「夢の新薬」とうたわれ、全国の病院で使われ始めました。しかし、わずか2年半で588人もの患者さんが間質性肺炎などの副作用で亡くなりました。
「これは薬害だ」として遺族の方たちが東京と大阪で、国と製薬会社の責任を問う裁判を起こしました。
さらに、2004年12月に製薬会社は「イレッサを投与しても延命効果は得られない」という試験結果を発表しました。アメリカではただちに回収を検討、EUでは承認申請を製薬会社が取り下げましたが日本ではいまだに何の規制措置も取られていません。
 
現在では判決が出ているのでそれも載せておきます。
 
●大阪 
一審:2011年2月25日、大阪地裁は製薬会社の責任は一部認めたが、国の責任は認めない判決を言い渡した。
二審:2012年5月25日、大阪高等裁判所は、一審判決を取り消し製薬会社・国両方の賠償責任を認めず、原告敗訴の判決を言い渡した。
 
●東京
一審:2011年3月23日、東京地裁は国と製薬会社の責任を一部認める判決を言い渡した。
二審:2011年11月15日、東京高裁は、承認当時の副作用と死亡の因果関係は不明確で、専門医らは間質性肺炎の副作用で死亡の可能性があることを把握していたとして、国や製薬会社の責任を否定した。
 
講義の内容を箇条書きで簡単にまとめてみました
・薬で亡くなったのか、病気で亡くなったのか判別しづらい
・くすりの宣伝のあり方は?
・そもそもイレッサ欠陥商品なのか
・統計的な効果と個々の効果は必ずしも一致しない
・副作用なく使い続けている人にとってのイレッサは?
ドラッグラグは必ずしも悪いとはいえない(ドイツ サリマイド)
 
☆医薬品って何?
☆食品や医薬部外品と医薬品はどう違うのか
 
私は土屋先生のお話を聞いてくすりとは何なのか初めて深く考えました。
最後に、医薬品とは何かと聞かれたときにぱっと思いついたのは「人の生活を豊かにするもの」でした。
でもそのあとに、じゃあ食品や医薬部外品と何が違うのか、と聞かれたときに「医薬品はその効果が科学的に証明されている」のではないかと考えました。でも医薬品であるイレッサでは実際に薬害が起きていて、実は延命効果はないと発表されたり・・・今までくすりについて深く考えたことはなく、イレッサ薬害はとても難しい問題で事実を知って考えることぐらいしかできないかもしれないけど、事実を知ることに意味はあると思いました。