活動報告(令和2年度8月1日)  ラットの解剖&講義

今日は、生物医科学研究所より川合先生にお越しいただき、ラットの解剖のための講義をして頂いた後、今まで約1ヶ月に渡り自分達で世話してきたラットの解剖をした。
講義では、スライドでラットの解剖の仕方を教わった。ラットにも様々な種類がいることや、マウスとの違いを教えて頂いた。ハツカネズミという名前の由来が子供が生まれるまでの日数だと言う説は、意外で驚いた。また、ラットの体の詳しい特徴や、体の中の構造についてこのように生々しい写真を見るのは初めてだったので、とても勉強になったし、今からこれを実際に解剖して観察するんだと緊張が高まった。私が特に興味を持ったのは、マウス・ラットの心拍数がヒトより約9倍ほども多いということで、体の大きさで心拍数が違っているというのは新たな気づきであった。

解剖では、まず先生が1匹使って実際にやって見せてくださり、初めて自分の目で解剖の様子を見た。次々と取り出されていく臓器の数は、あらかじめ理解はしていたが、この小さな体に収まっていることに驚きを隠せなかった。また、先生があまりにもスムーズに臓器を摘出していくので、思っていたより簡単なのかと思ってしまったが、実際に自分がやってみるととても難しく、思うようにハサミで切込みを入れることが出来なかったり、臓器と筋肉の繋ぎ目を見極めたり、血も大量に出る中で解剖するのは非常に難しかった。やはり先生だからこそあのように正確に解剖できるのだとわかった。
自分の今まで育ててきたラットをエーテルの入ったビンに入れ、徐々に弱っていく姿を見ているととても申し訳なく思ったが、せめてしっかり解剖して観察しようと心に決めた。腹を割く時は、肉の厚さに驚いた。そして、開いた瞬間全ての臓器が無駄なく詰まっているのを見て、動物の体はなんと合理的にできているのだろうと感心した。開いてしばらくは心臓がピクピクと動いていて、ついさっきまで生きていたのだと改めて感じられた。開くとまず肝臓があるので、肝臓を摘出した。赤くて大きく薄く、ぷにぷにとしたひだのようだった。とても柔らかいのでピンセットでどこまでつまんで良いのか迷った。次に腸管を摘出した。腸管は思った以上に長く、講義で教わった通り盲腸を中心に膜で繋がれているのが確認できた。膜はとても丈夫で切り離すのが大変だったが、これが体を支えているのだと実感した。また糞が徐々に形成されていく過程を見ることが出来た。その後腎臓を2つ取り出した。固くて見た目は豆のようだった。副腎は腎臓より小さく、見つけるのも切り離すのも難しかった。脾臓膵臓は筋肉と似ていたため、見つけるのが非常に難しかった。次に心臓、肺を取り出した。この時点では心臓は既に止まっていて、肺はピンク色で腎臓を少し小さくしたような形だった。また、私のラットはメスだったが妊娠していなかったので、子宮が小さく、私には見つけることが出来なかった。子供を観察できなかったのは残念だった。
他の班に子供を見せてもらったが、すでにラットの形が形成され始めていて、貴重な体内の子供の様子を見ることが出来た。また、死んでから目が赤から白に徐々に変わっていき、摘出してみると、目の玉が白くてぼんやりしていて、その周りは透明であった。

今回ラットの大切な命を頂き、貴重な解剖実験をさせて頂いた。体内の構造はとても細かく複雑で、講義で学んだ臓器の全てを摘出することは私にはできなかったが、初めて臓器に触れ、観察したことは一生忘れないだろうし、ラットが生きて活動し思考することができるのは、これらの臓器や筋肉や骨のおかげなのだとわかった。もちろんこれは人間にも当てはまることなので、自分の体について知れたようでとても良い体験になった。
長くなってしまってすみません、ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。(C39)