活動報告(令和2年度8月27日) がん専門看護師 高見さんの講義
今回は、市立岸和田市民病院で、がん専門看護師として働いていらっしゃる高見陽子さんに講義をしていただきました。
まず、「専門看護師」とは何かご存じですか?あまり聞きなじみのない言葉だと思います。私も今回初めて知りました。
専門看護師とは、特定の専門看護分野において、水準の高い看護ケアをするために知識・技術を深めた看護師のことを言います。資格は5年ごとに更新されます。
看護師さんだけではなく、このような資格を持った看護師さんの存在があることを初めて知りました。
1つ目のトピックは、「がん治療に関する政策」についてです。
現在の日本において、生涯でがんにかかる確率は男女ともに2人に1人といわれています。確率で表すと50%です。誰もががんにかかる可能性が十分にあります。
かかっている人数が多いがんは、大腸がん、胃がん、肺がん、乳がん、前立腺がんです。
がんを防ぐためには、たばこ(副流煙も含む)をなるべく吸わないようにすること、お酒、塩分などに気をつけたバランスの良い食生活を心がけること、適度に運動をすること、定期的にがん検診を受けることなどがあるそうです。がんについて正しい情報を知ることから予防は始まっているとおっしゃっていたのが印象的でした。
現在行われている政策では、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す」を目標にがん予防、がん医療の充実、がんとの共生(緩和ケア、相談支援など)を実施しています。
がんになる人は少なくないので、国民全体としてがんについて知り、共生と克服を目指していかなければならないと感じました。
2つ目のトピックは、「生きるということ」です。
がんの治療は十人十色だというお話をしていただきました。最後まで治療を続けることを優先するのか、残された時間をゆったりと過ごすことを優先するのか、家族とともに過ごすことを優先するのか…など、何を大切にして、どのように生きるかは患者さんやその家族の思い次第だということです。
それを患者さんや、主治医、患者さんのご家族の方など様々な話し合いの中で、どのような治療を行うのかを決定していくそうです。
実際の患者さんの例を聞いた後に、「自分らしく生きるとはどういうことか?」というディスカッションを行いました。
・自分のことを自分で決めること
・好きなことをして生きること
・楽しみを見つけること
・チャレンジ精神を持つこと
などの意見が出ました。全体的にポジティブな意見が多かったように感じました。
いざ、「自分らしさ」について考えてみると難しくて、意外と自分のことを自分で知れていないと思いました。
3つ目のトピックは、「緩和ケア」についてです。
緩和ケアとは、病気による痛みからの解放、身体的・精神的問題の解決を目指し、患者さんが人生を積極的に生きるためのサポートをするアプローチのことです。
病気を治すための治療ばかりを優先するのではなく、患者さんの苦痛を取り除くこと、家族の辛さをやわらげることに重点が置かれています。
緩和ケアは、病院やホスピス病棟だけではなく、在宅医療の際にも受けることができます。
今回のお話の中で、高見さんの言葉の隅々から患者さんの「自分らしく生きる」を実現できるように患者さんに寄り添っている様子をひしひしと感じました。
そのために、患者さんやご家族と何度も何度も話し合いを重ねるということを強調されて話していたことが印象的でした。最善を尽くし、後悔のない看護をするためには納得いくまで話し合いを重ねることが大切だというお話をされていて、患者さんやご家族の方にとっても納得がいくまで話し合いを重ねることは大切なことだろうなと感じました。
「病気を治す」ことだけではない新たな医療の一面を知ることができました。
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