活動報告6月1日

今日は主に以下3つの生命操作にまつわる問題について話し合った。

1ドナー・ベビー

2クローン・ベビー

3人工子宮

 


1ドナー・ベビー

これはある夫婦が、余命数年の重大な疾患を持つ自分の子供の治療のためにもう1人子供を作り、その子から細胞を移植しようという話である。移植元になった子供はその後も問題なく成長することができる。夫婦はその子を産むために体外受精を行い複数の胚を作製し、遺伝子診断で組織の適合性が最も高いものを選んで妊娠、出産しようとしている。

 


この話には二つの問題がある。一つは他の兄弟のための子供を作る点、もう一つは既に受精している物を親が選別する点である。私の班の話し合いでは、生まれてくる子供が死ぬ訳ではない、どんな目的で産もうと移植した後も大切に育てられるのなら普通の家庭と変わらないのでは無いか、といった肯定的な意見が多く見られたが、それでは兄弟間に不平等が生まれるのでは無いかといった意見があったり、後者の生命を選別しているという問題に新たな展開が無かったりと肯定できない部分も多くある。

 


2クローン・ベビー

体細胞を移植した完全に同じ遺伝子を持つクローンの子供を産めるようになった。元々は不妊治療を目的としていたが未受精卵の提供や代理母出産などのついたサービスとしてビジネスが展開し、一部の国では合法化されている。ある時、恋人を失った女性が、その恋人の体細胞によってクローン・ベビーを作成し育てようとしている。

 


班ごとに別々にテーマを選んで話していたが、全ての班がこの問題を取り上げていた。子供を産むことをビジネスにするというところが突っかかる人が多かった。私自身も出産に損得勘定が関わってくることに忌避感がある。子供に愛情を持って接せるのかという問いに対して

<この人はあくまで恋人をもう一度作り出そうとしている。実際には育つ環境が違う以上同じようには育たないので子供を大切に出来るとは思えない。

という意見があった。確かに環境が違うし、遺伝子が同じであろうともう一度脳も作り直されるので全て一からになって全然違う人になる可能性もある。以前の生命論で脳死は既に死んでいるのと同義、脳はそれくらい一人の人をその人たらしめる核だと話したことがあり、それが生きてきた。

他にも、この体細胞の持ち主が死んでいるか生きているかが問題である、この人が死んでいるなら問題ないが、生きている場合遺伝子の同じドッペルゲンガーが誕生するのでは?という意見もでてきた。

 


3人工子宮

体外受精、人口子宮で出産が可能になった。人口生殖ビジネスが誕生し、今恋人との間にこれを利用して子供を得ようとしている人がいる。

こちらも全ての班が話し合っていた。女性が出産の負担を背負わないでよくなればその分ずっと社会と関わっていられるという面もあるが、まあ間違いなく悪用し放題だろう。同じ人の子供が同時に何人も作れるので年子じゃなくて月子が生まれるだろう。また身体の負担が無くなるので60歳などでも子供が産めるようになる。

<容易に子供が産めるようになる分どうしてもその子に対する責任感や、命の価値が下がってしまうのではないか

という意見があった。私もそう思う。それだけではなくて、このサービスが応用されて色んな人に子供を提供するようになったらそれはもう人身売買ではないか?とも思う。