6月18日 グループ討論について (3C41)

班員:A18,A24,B29,C14,C36,C41 以上6名
 長くなります。すみません。


*着床前遺伝子診断と胚選別
・想定 
 遺伝性の重い神経難病に苦しむX氏とその妻が、体外受精で作成した複数の胚から発症可能性のない胚を選別し、健康な子供を得ようと考えている。

A18 技術があるのなら胚を選ぶこと自体はやむを得ないが、妻の体への心配がある。
A24 X氏は実際病気を患っていて、子供まで発症してしまうのは辛いので、私がX氏なら選別する。
B29 X氏も苦しんでいるのに、子供までそうなれば妻も子も苦しい。
C14 患者本人にしか分からない苦しみはあるし、そもそもの遺伝内容自体の良い悪いも考え、広い視点を持って考えるべき。賛成も反対も出来ない。
C36 もし子供が発症すれば辛いし、もし自分なら選ぶことに抵抗はあるが選別するだろう。
C41 子供との幸せな未来を描きたいのは親として当たり前だと思うので、選別という形も完全無視は出来ない。

・さらに様々な立場からの意見(これらを書くと終わりそうにないので割愛します)を読んで
 たとえどんなことがあっても、形質”異常”が本当に”異常”なものであるかと言うことも含めて、命となった胚を選別し、選ばれなかったものを”処理”してもよいのだろうか。


*ドナー・ベビー
・想定
 Y夫妻は重い血液疾患で余命数年と宣告された第一子のため、もう一人子を作ってその第二子から臍帯血の造血幹細胞移植を考え、体外受精で複数胚を作成し、最も組織適合性の高いものを選別し、妊娠・出産を考えている。

A18 元々の兄弟がドナーとなりうるだけならまだしも、そのためだけに産むのはいかがなものか。
A24 第一子のことを考えれば仕方がないのでは。
B29 第二子にも第一子と変わらぬ愛情が注がれるのなら、方法としては考える。
C14 そのベビーが適合すれば美談にもなりうるが、適合しなければ...
C36 可能性に賭けたくもなるが、ベビーへの負担も大きいのでは。
C41 ドナーとして産むことには反対。あくまで子供はその子自身が望まれて生まれ来るべき。

・さらに様々な立場からの意見を読んで
 10代の私たちには難しい問題だが、やはり立場によって意見は大きく分かれた。


*胚への遺伝子治療
・想定
 代々の遺伝性乳ガン遺伝子の保因者である妻Kを持つK夫妻は、体外受精によって作成した胚に遺伝子治療(疾患に直接関与する遺伝子を除去したり”正常な”遺伝子と交換したりする)を施し、健康な子を得たいと考えている。

A18 古い考えかもしれないが、まだ生まれて来ていない胚に手を加えるのはどうなのか。生まれてからでも対処出来るのでは。
A24 他の胚が犠牲になったりすることはないので、人工的なDNAと取り替えが可能ならやる。
B29 普通の癌治療と何ら変わりないと思うので問題ないと思う。
C14 これは”物質”をいじることに近い行為だが、”物質”と”生き物”とのボーダーがはっきりしない状態での操作にはあまり賛成は出来ない。が、一概に反対とも言えない。
C36 遺伝子操作ではなく遺伝子治療なのでよいのでは。
C41 その治療に100%の成功が認められるとは考えにくいし、少し踏みとどまるかもしれないが、別な命を無駄にしないで済むという点では画期的だとは思う。

・さらに様々な立場からの意見を読んで
 あまり考えは変わらないが、”もの”と”ひと”のボーダーが曖昧な中でのこのような行為は、そうでなくとも人間のエゴだと思えてしまう。


*デザイナー・ベビー
・想定
 P夫妻は胚への操作により子の身体機能・形態及び知的能力といったものをデザインし商業化した”デザイナー・ベビー”ビジネスの提供するサービスから”記憶力”と”情報処理能力”の向上を選択し、優秀な子を得ようと考えている。

A18 商業化されているとは...。子の立場から考えて、自分が”人ではない”とも思いかねない。自分の能力が自身の努力のためでなく親のエゴによるものだと知ったなら辛いだけだろう。
A24 普通”以上”を望むエゴなのでおかしい。
B29 遺伝子操作をしてまで生まれてきた子供はプレッシャーにも追い込まれる事になるだろうし、能力なんて生まれてから付ければいい。
C14 人の能力が”生まれ”で決まるのか”育ち”で決まるのか、それも家庭による。環境によって人は変わるが、この場合もそれと同様”財力”で決まる、と言えなくもなく、間違った考えが蔓延しかねない。
C36 まず自然ではないし、商業化だなんて理解が出来ない。育ち方によって能力なんていくらでも変わるではないか。
C41 これでは生まれた子は”授かった子”ではなく”作られたアンドロイド”に近い存在になってしまうし、それを生業とする人がいるということ自体がおかしい。

・さらに様々な立場からの意見を読んで
 みな意見に変化はなかった。


*クローン・ベビー
・想定
 恋人を事故で失った女性Rは、恋人の体細胞によるクローン・ベビーを依頼し、シングルマザーとして育てたいと思っている。

A18 極端にいえば死者転生で、同じ人でなくて同じ人が生まれる訳で...。
A24 いくらその恋人を愛していたとしても、生まれた子は自分とは生物学的に無縁な人間だし、恋人のように育つとも限らない。
B29 そのときに感情に流されて産んだとしても、後々冷静になって考えたときに恐ろしくなるのでは。
C14 何を考えているのか理解できない。自分とは関係のない子だし、恋人なんてまたできるかもしれない。純粋に子供が欲しかったにしても、不自然過ぎはしないか。
C36 カルチャーショック。理解できない。
C41 Rさんは恋愛と親子愛を取り違えているのでは?亡くなった恋人の家族や知人も喜ぶとは思えない。

・さらに様々な立場からの意見を読んで
 意見に変わりはなかった。


*人工子宮
・想定
 体外受精で得た胚を母体外に着床させ、”妊娠・出産”を代行する人工子宮を提供する人工生殖ビジネスが始まり、キャリアウーマンのFさんは恋人との間にこのサービスを利用し子を得ようと考えている。

A18 陣痛などの苦しみが大きいほど愛情も深くなるのだ、と祖母に聞いたことがあるので、産んだ実感がないなかでの子に果たして普通に産んだ子と同様の愛情はうまれるものなのか。
A24 C36の意見に納得したが、本当に愛情は湧くものなのか。
B29 C36の意見も分かるが、養子のような関係になってしまいそう。
C14 代理出産にもリスクはあるし、これもどうかと思う。自然なプロセスで産めるならそれで産んだ方がいい。
C36 あまり良いとは思えないが、病気で子供が産めない体の女性なら利用しない手はない。
C41 本人が子供を産める体であるならば、それは勿論利用してはならないと思う。しかし病気でどうしても産めないならば、利用することも視野には入れる。

・さらに様々な立場からの意見を読んで
 意見に変わりはなかった。




以上討論内容です。
感想は、二時間という長い時間が、まだまだ足りないと感じるほど中身の濃い討論が出来たと思います。正確にここに書ききれてはいませんが、少しでも班討論での真剣さが伝われば幸いです。
みんなと”生”について話したことで、自分の意見にも幅が出来たので、これからの授業に活かしていけたらと思います。
長くなり申し訳ありませんでした。