7月1日グループ討論 【3C 21】

今回は外部の先生にお越しいただくのではなく、霜田求先生の書かれた『生命操作』について、グループ討論を行った。
テーマは
①着床前遺伝子診断と胚選別
②ドナー・ベビー
③胚への遺伝子治療
④デザイナー・ベビー
⑤クローン・ベビー
⑥人工子宮
の6つ。この中から各グループごとにテーマを選び、話し合った。
 
私たちの班では①、②、③について話し合った。
以下がその内容です。
 
①着床前遺伝子診断と胚選別
X氏に対して…
●賛成(3)
・健全さ第一。自分の子どもには健全に生まれてきてほしい。
・病気の辛さを1番よくわかってるのはX氏。だから自分の子どもには同じ思いをさせたくない。
・五体満足でなかったら、差別にあうかもしれない。
・X氏だって、病気が治せるなら治したいはず。
・自分なら、遺伝子操作をした時点で、発病が予期されるのなら遺伝子操作をしたいと思う。
●反対(1)
・自分自身は子どもがほしいと思わないので、何とも言えない。
・病気が嫌というのは、X氏自身、ひいては社会にいる同じ病気を持った人々への否定へつながる。
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本文中のAさんに対して…
・「どのような子を産むかは親の選択の自由」:言い回しがひどい。
・「五体満足→幸福追求」:五体満足でなくても頑張っている人がいるのに、これを“権利”にしてしまうのは失礼。
同じくB~Dさんに対して…
・みんな言いきりすぎ!(ex.断じて認められない)
・柔軟な対策を考えるべき(個人の自覚/倫理で言うならば中庸的な)。
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議論した結果…
・個人の否定について。遺伝子操作をするかしないかで、社会的立場が変わるのはおかしい。
 ⇒病気との上手い付き合い方を考えるべき!
・差別は結局、根っこから消えるわけではない(心の中のどこかで存在し続けている)。
・医療技術の進歩に対する見解の個人差が存在している。
      →「どんどん取り入れたい」派
      →「生理的に無理(受け入れられない)」派
・命の選択を自由にしていいのか?
 ⇒もしダメなら着床前診断は?
・どこからが「命のはじまり」と見るのかによって、賛成・反対は変わると思う。
 
②ドナー・ベビー
重病の第一子を助けるために、もう1人子どもをつくることについて…
●賛成(0)
●反対(4)
・子どもが欲しくて作ったわけじゃなく、治療のために(1人の人間として望まれたわけでなく)作られた子。
 ⇒命を道具化しているように思われる。人間としての存在意義が不鮮明。
・いくら2人(兄弟姉妹)に対して平等に愛情を注いでも、事実を知った時に当事者間にギクシャクが残るかもしれない。
 ex.お前、俺がおらんかったら死んでてんでー!・・・・(*)
・捨てる部分(今回の場合、臍帯血の造血幹細胞移植なので)を使うこと自体は悪くない。けれど、「治療のため」に子どもを作るのはよくない。
・産まれてすぐにメスを入れられる(臓器移植などの場合)のは、ドナー・ベビーが、あまりにもかわいそう。
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本文中のAさんに対して…
・法律以前にモラルが必要。
・親および第一子の権利は保障されたにしても、ドナー・ベビーの権利は重視されておらず、一方的な感じがする。
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議論した結果…
・もし下の子(ドナー)が手術中に死んでしまったとしても、道具化されているため、上の子が死ぬ場合と比べ、悲しくないはず。
・死ななかったにしても、結果よければすべてよしではない。
・上記(*)の内容に関して。
 逆に「弟(or妹)がいるから、今の私があるんだわ。」という場合も想定しうる。
・ドナー・ベビーが大きくなったとき、本人に(あなた、ドナーだったのよ、という)事実を伝えるべきかどうかも問題である。
 
③胚への遺伝子治療
●賛成(1)
・成体(私たちのような、いわゆる“人間”の形をしているもの)の手術と、胚の治療はかわらない。
●反対(3)
・今、病気をもっている人への否定につながる。
・胚をイジるという、自然の流れに手を加える行為は、すべきでない。
・①のケース(着床前遺伝子診断と胚選別)は、胚に直接手を加えているわけでないから賛成だけど、このケースは胚に手を加えているから賛成できない。
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議論した結果…
「胚=人」⇒治療
「胚≠人」⇒修理
というとらえ方ができるのではないか。
 
以上が、私たちの班で話し合った内容です。
個人の感想は上記をまとめる上でたっぷり書いたので、省略します。
①と③は一見似ているようで、まったく違う…という事例だったので、話し合う途中に、何度も自分の中で矛盾が生じ、難しかったです。