生命論 第10回 3A23

 
今回は、大阪夕陽丘学園で医学博士や獣医などをされている川合清洋先生のご指導の元、ラットの解剖を行いました。
 
[> 解剖の手順
1.エーテルを入れた瓶の中にラットを入れ、動かなくなるまで待つ。
2.動かなくなったのを確認したら瓶から取り出し、腹を開く。
3.肝臓・腸・腎臓・副腎・脾臓膵臓をそれぞれ取り出す。
4.胸を開き、心臓・肺・胃を取り出す。
5.雌の場合は、子宮を取り出し中の胎児の様子を確認する。
6.頭蓋骨を切り、脳を取り出す。
 
[> 感想
私は、最後まで自分たちが育ててきたラットに愛着が持てませんでした。元々動物が苦手だったためか、それとも実験対象と割り切って接していたからか。おそらく両方だと思います。そのため、この日を迎えるまでは、解剖に対して罪悪感を感じていませんでした。
そして、私はそんな状態で解剖を始めました。
麻酔をかけられたラットは、冷たくなっていました。今まで生きていたもの・これから生きていくはずだったものである、と感じられなくて、そうなるとますます実験対象としか見れなくなっていって・・・
最初のハサミを入れることに、なんら躊躇いはありませんでした。でも、臓器を取り出すために中に手を突っ込んでみると、すごく温かくて、その時初めて罪悪感を覚えました。自分が今目の前にしているのは本物の命なんだな、と思いました。
 
解剖を終えてみて、言葉にもできないようなよく分からない感情が渦巻いてます。
命を直に感じることができて、本当に貴重な体験でした。
ラットのことを思うとどうしても罪悪感に駆られてしまいますが、今回のことはそれも含めて私の中に留めておきたいと思います。