活動報告(令和3年度6月10日)

生命論第5回の授業は、外部から講師の先生に来ていただき、「倫理的視点」について学びました。


現代ではよく「QOL」という言葉が言われるようになり、特に重い病気にかかりその後の治療方針などを考えていく上で使われるようになりました。この「QOL」という考え方は、「安楽死」「尊厳死」と深い関わりがあります。

安楽死」も「尊厳死」も、もう完治する見込みがない、もしくは医療機器によって生きながらえる事が可能であるがそれには大きな苦痛を伴う場合に、患者の最後の選択肢として挙げられるものです。

安楽死とは、致死量の薬品を投与、処方して作為的にその人の人生を終わらせることです。安楽死は患者当人が死を望むときに第三者が死を与えることですので、日本ではその倫理的問題が深刻視され、未だに認められていません。

一方尊厳死とは、延命措置の中止や差し控えを行うことであり、第三者が手を加えて命を終わらせるということではありません。しかし延命措置を止めること、差し控えることはそれすなわちその患者の死を意味するので、倫理的に問題視されています。


終末期における患者がどのような選択をするにせよ、その患者の自己決定ということが重要になってきます。しかしその自己決定というのはどのタイミングで、どのような形式で行われたものをその患者の「自己決定」とするのかが難しいところです。


次回の授業では、この「安楽死」「尊厳死」を法律化するかということについて議論する予定です。みんなの多様な意見が聞けることを楽しみにするとともに、自分の意見も練っていこうと思います。



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