長島愛生園研修 2年生(BY)

 療養所に入所している間に、兄も母も亡くなっていたこと。そしてその情報が、いっさい届いて来なかったこと。この話がわたしの頭から離れません。
 ハンセン病の患者は事あるごとに人から偏見を持って見られてきました。そして今もまだ、差別されることがあります。長島愛生園の歴史館に展示されていた入所者の作文には、このようなものがありました。「家族に迷惑がかかるから行方不明ということにしてほしい。便りも送らないでほしい。便りが来ないことは健康である証拠だとわたしも思うようにする。」ある入所者は、ハンセン病にかかってすぐ、親族にこう言われたようです。
 ハンセン病の患者自体は普通の人間ですし、患者でない人と同等の立場にあるべきです。それをわたしたちはもう一度自覚し、理解しなければいけません。また、当時の政府が出したハンセン病隔離政策と、それが招いた患者に対する差別の実態を、わたしたちが残し、伝えていくべきです。