長島愛生園 見学感想 1年生(CN)

 無知であることは大変恐ろしいことなのだと、長島愛生園研修を通じて痛感しました。

  ハンセン病の歴史は古く、昔から一休宗純が「仏罰」と記すなど天罰、遺伝病さらには不治の病だと云われ、その症状からも偏見・差別の対象となってしまった病気です。近代でも政府による強制・終世隔離などの政策により、ますます偏見・差別を根深いものにしました。

 そのような中、長島愛生園は第一号の国立療養所として一九三〇年に岡山県瀬戸内市長島に開設されました。現在も二百名近くの方がいらっしゃいますが、ハンセン病自体は治癒されています。

 私は、恥ずかしながら、ハンセン病が現在は確実に治る感染力の弱い感染症だとは知らなかったのです。心のどこかでよく知らないが、恐ろしい病気なのだろうと考えていました。しかし、歴史館で愛生園の歴史、困難と闘った人々の歴史を学び、元患者の方の話を聞きながら私のような「知らない」のに「怖いのだろう」から「避けよう」という浅い考えが長らく続く偏見・差別の一番の原因ではないのかと強く自分を責めました。

 国によって為されてきた政策・法律が過ちであっと認められ廃止された今でも残る偏見・差別。では、私たちはどれほどハンセン病にまつわる歴史に関心を寄せているでしょうか。話に耳を傾けているでしょうか。まだまだ関心を寄せる人は少ない、と言わざるをえません。

 ならば、と私は思います。まずは近しい人からでも研修で知ったこと、考えたことを語ろうと。楽しい、明るい話では断じてありません。人ひとりができることは小さなことかもしれません。それでも、学んだことを伝え続ければ関心を持ってくれる人が増えるかもしれないと願いながら。

 無知は恐ろしい。当たり前の様ですが、なかなか痛感できることではないと思います。そのことをかみ締めながら、これから、世界の様々なことに関心を寄せひとつでも多くの「本当のこと」を知っていきたいです。