長島愛生園 見学感想 2年生(B22)

 事前に受けた講義による情報で、実際に長島愛生園に行く前、私は愛生園はひどいところだと思っていた。当時の政府や愛生園の園長が冷たく非道なのだと思っていた。しかし、愛生園に行って現地で聞いた話に、愛生園に来てよかったという人の話があった。その人はずっと、ハンセン病であることを知られないように家の中で細々と暮らしていて、愛生園で2年ぶりに陽の光を浴びたそうだ。私は衝撃を受けた。その人にとっては、いつ見つかって差別されるかわからない自分の故郷で暮らすよりも、自由を奪われても愛生園で暮らす方が幸せだったのである。当時の愛生園が良くないところだとは一概には言えなくなった。物事は見る角度を変えると当然見え方も変わる。また、彼らが辛い思いをしたのは、国全体、国民全体がハンセン病に差別的な風潮だったからだと気づいた。風潮ということは、多くの人が差別的に考えていたということである。調べてみると、完治しほとんど感染しないと判明した今でも、ハンセン病に対する差別や偏見は残っているらしい。ハンセン病を理解する人が少しずつでも増えれば、"風潮"も少しずつなくなり、昔のようなことにはならないのだ。