長島愛生園を訪問して (1.2年生の感想 ④)

・今回の愛生園への研修で最も学び感じることが多かったのは語り部さんのお話であった。事前の学習で、ハンセン病に関することは文章を読んだり人かり聞いたりして知ることができていた。ハンセン病はどのような病気なのか。それによって何が起きていたのか。なぜとても長い間多くの人が間違った知識を持っていてあんなにも長い間差別されていたのか。今どうなっているのか。事前の学習や歴史館でこのような知識は持つことができた。しかし、実際にこの出来事を経験した人がその当時どう感じていたのかどう思っていたのかはよくわかっていなかった。これは文章などでは実感しにくいことであった。
 私たちに話をしてくださった方は二十代のころに施設にきて今までの間ずっと生活されている方だった。当時の体験交えてお話してくさったので実感がわきとてもわかりやすかった。その中でいくつかとても驚いた話があった。一つは軽症の人は様々な仕事をしていたということである。大工や食料づくりなど70種類以上の職種があったらしい。また、軽症の人たちが重い症状の人たちを看病し、そのために治った人たちも故郷に帰ることができなかったそうだ。二つ目は施設で働いていた医師、看護師、職員たちが一人もハンセン病に感染していないということである。当時感染力が強いといわれ隔離されていたのに。これらの事は政府が都合のいいように情報を操作した結果だと思う。また、プロミンが開発され確実に治るようになってからも隔離は続けられた。そのために高齢化が進み社会復帰がどんどん難しくなっていってしまった。もしもっと早くに法律を廃止し隔離をやめていたらもっと多くの人が故郷に帰り住むことができたはずだ。このことを思うとやるせない気持ちになる。この研修で学んできたことはハンセン病の事だけではなく他の差別問題に」当てはまることだと思う。みんなが正しい情報を選ぶ目を持ち様々な問題に興味をもっていくことが問題を解決することにつながると思う。
 はじめ語り部さんの事を見た時今までたくさんの苦労を経験してきているからこわいはずだと思っていた。しかし、実際にお話を伺っていくと全くそんなことはなくとても明るく楽しい方であった。今までこの人たちは悲しくかわいそうな人たちなんだと思い込んでいた。だが、それもまた偏見で皆さん苦労はしてきたがその中を強く生き抜いてこられたんだと話されている中で感じた。私は偏見を持たずにしっかりと物事を見ることのできる目を持ちたいと思う。

ハンセン病について、僕は全く知らず生きてきました。もののけ姫は見てましたが、あの映画にでてくる包帯の人は、ハンセン病の人だったというのも知らなかったのです。差別を受けてきた人のことも知らず、これから生きていくなんてダメだなと思い、今回参加しました。
 まず、歴史館の中の模型を見た時に真っ先に赤の境界線が目に止まりました。園内でも職員と患者が隔離されていたということは初めて知りました。さらに崖があって、そこには自殺場所と書いてありました。神経痛が苦しくて自殺した人や精神的に辛くなって自殺した人もいたそうです。さらに、当時のままの建物を見て、消毒風呂や、消毒洗面台、逃亡しようとした人を収容した監房などがあり、感染力の弱い病気なのにうつるといわれ、隔離されてきた過去が実際に目に浮かびました。
 このような苦労をしてきた人に実際に話を聞く機会も設けられてました。
僕は、とても全身に凄みを持った方なんだろうと思い、話し口調もきっと重々しい感じなのだろうと、少し身構えていましたが、いざ話を聞いてみると、とても気さくな方で「あの方たちはかわいそうな方ではない、強く生きてきた方です」という学芸員の田村さんの話が少しわかった気がしました。
 この研修は全体的に僕にとってはとてもいい経験になったと思います。「命」という言葉の重みが生まれて16年目にして少し理解した気がします。このような経験をさせてもらった僕がこれからなすべきことは、風化しつつあるこの話、つまり、かつて日本がハンセン病患者に対してどのような政策を行い、それによって患者、今だと元患者の方々はどのような心情でこの長島で暮らしていたか、そういったことをもっと世間に発信していくことだと思いました。日本人が永遠にこの島のことを忘れてはいけない、そう感じた研修でした。
このような機会を設けて頂き、ありがとうございました。

・近年、日本でも人々の人権に対する意識はどんどん高まってきています。障がい者差別や外国人差別女性差別など、たくさんの人権に関する問題がありますが、その中の一つとして、このハンセン病も挙げられます。
 最近はニュースでハンセン病が取り上げられることがしばしばありますが、僕が今回この研修に参加したのはそのようなニュースを見たことがきっかけです。それらの報道が与える印象の大部分は、「かわいそうだ」と思わせるようなものだったと思います。しかしながら、学芸員さんはハンセン病によって愛生園で暮らした方々を、「強く生きた人たち」と繰り返しおっしゃいました。
 研修の中に、元患者さんからお話をいただく機会がありました。その方の話には、確かに、辛かったことや憤りを感じたという内容のこともありましたが、決してそればかりではありませんでした。軽やかな口調で、楽しい思い出もたくさん聞かせていただきました。悲観的な境遇に屈することなく、その時その時に楽しさも感じておられたようでした。当初僕は、もっと心が重くなるような、辛くなるような内容のお話をされるのかと思っていました。しかし、実際に話を聞き終えてみると、「(人権などについて、)考えさせられる話だったー」という以前に、聞けてよかった、研修に参加して良かったという充実感・満足感が得られました。
とてもいい機会をいただけてよかったです。

・長島愛生園を訪問して。まず僕はハンセン病というものを知りませんでした。だから、学校で講習を受けるまでは興味もほとんどありませんでした。しかし、講習を受けて、ハンセン病というもの、そして政府の動き、さらに現状など様々なことを知り、興味を持ちました。実際に研修に行って、資料館などを見させていただいて、とてもいい体験ができました。二重茶碗が以外と軽くて驚きました。また、人権侵害の悲劇が心に引っかかりました。勘違いだと言え、あまりにひどいなと思いました。それと同時に愛生園の人は、とても強いなと思いました。僕らが想像もつかないぐらい辛かったはずなのに、僕らが当たり前と思っていることが当たり前じゃないのに(目が見えないとか)それでもなお、楽しんで、強く前に進むように生きている。そんな愛生園の人たちの動きに心うたれました。本当にすごいと思います。実際に話をお聞かせさせていただいても、とても陽気で面白い方で、そんな過去を持っているとはとても思えませんでした。でもやはり人権侵害のような行動は問題だったと思うので、この先僕たちの世代が大人になったとき、そのようなことを繰り返さないようにしっかり頭に刻みたい。最後に。とてもいい体験をさせていただきました。このような機会をいただきありがとうございましたm(__)m
感じたことを心に刻んで、愛生園の人たちに負けないくらい、強く強く、前に進んで生きていきたいです!