長島愛生園研修 1年 (CH)

 事前の講演でハンセン病の話を聞いた時、正直私は入居者の人たちを「かわいそうなひとたち」だと思っていた。表面的な話だけを聞けば、おそらく多くの人はハンセン病患者をかわいそうだと思うだろう。
家族と縁を切り、差別され、重い症状に悩まされ、いわゆる「普通の人たち」から見ればたしかにかわいそうなのかもしれない。
でも、どうにも私は「かわいそう」という言葉に「自分より劣っている」という意識があるように思えてしまう。
療養所の人たちは強いられた環境の中で弱者として生きているのではなく、互いに助け合いながら強く生き抜いてきたのである。
それは、隔離された場所でひとつの小さな世界を作らざるを得なかった状況によって強いられたものであるかもしれないが、素直に「すごい」と思える。
決して「自分よりできないことがあってかわいそう」なわけではなかった。
ハンセン病だけではなく、障がいのある人たちやなにか自分よりできないことが1つある人のことを「かわいそう」だと思いがちな私の考えが変わった貴重な時間だった。